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第四世代

丈編 三度目の正直

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配置についたホビットMk-Ⅱが実際に仕掛けるタイミングについて、正直なところ俺では適切に判断できないというのは間違いなくある。だからあらかじめ命令を出しておいて、最終的なタイミングの判断は、常に状況を解析している光莉ひかり号の判断に任せるわけだ。

素人の俺がそれを完璧に判断できるなら<専門家>なんてのは要らないだろ?

まあとにかく、<権限だけはある素人>の俺は、命令を出すだけの役目なんだよ。

で、そんな俺がタブレット越しに見守る中で、五秒ほど経ったところでホビットMk-Ⅱが動いた。

一機がまず若いマンティアンの前に派手に飛び出すと、

「!?」

驚いた彼が瞬間的に躊躇なくホビットMk-Ⅱから距離を取る動きを見せる。やはりドーベルマンDK-a拾弐じゅうに号機やきゅう号機に見せたのと同じ反応だな。

実に賢明な判断だ。それが正しいと俺も思う。実際、そのホビットMk-Ⅱではチップを付けられるだけの距離まで近付けなかった。

しかし逆に、その<正しい判断>のおかげで、こちらの想定がばっちりハマった。若いマンティアンが逃げようとした先には、別のホビットMk-Ⅱが待ち構えてたんだ。

「ギッッ!?」

これにはさすがに声を上げてしまった彼だが、それでも躱した先にまた現れた<怪物>に仰天しつつも、掴まれそうになった腕を咄嗟に引き下げて、再度躱してみせた。

正直、この動きを見せただけでも大したものだと思う。あくまでこっち想定がそれを上回ってみせただけだ。

三度目の正直とばかりに、三機目のホビットMk-Ⅱが遂に若いマンティアンにしがみついてみせたんだよ。

「ギィィッッ!!」

完全に悲鳴以外の何ものでもない声を上げて、彼は自分にしがみついてきた怪物を振りほどこうともがいた。

すると彼を捉えたホビットMk-Ⅱのステータス画面が一瞬で赤く染まる。関節部分に許容限度を超える負荷がかかっていることを示すものだった。生きるために必死であるがゆえのものとはいえ、ホビットMk-Ⅱ自体の耐久性も決して高くないとはいえ、まったくもって大したものだなと感心させられる。

だが、そこまでだった。他の二機もすぐさま駆け付けて、チップを付けるための装置を背中に押し付ける。接着剤に包まれたチップを圧着させるんだ。

もっとも、それをされてる側とすれば、完全に『食われる』と感じる状態だろう。なおも諦めずに生きようと足掻く。すさまじい力で暴れ、捉えているホビットMk-Ⅱの関節の一部が歪んでしまった。

いやはやとんでもないな。

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