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第四世代

丈編 ますます守りが固く

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新暦〇〇三八年六月七日



游煉ゆうれんは、じょうにもゆうにも確かに似てるんだが、 それと同時に、どことなくじんの面影も感じさせるんだよな。

はっきり『どこが似てる』というわけでもないにせよ、見ていると時折ハッとさせられる瞬間があったりもする。

その辺はまさしく 遺伝子のなせる業ということだろうか。

じんの命もこうやって繋がっているんだと感じさせられて、何とも言えない気分にもなる。

だから余計に、万が一のことがあってほしくはないと思ってしまう。

ゆえに、できる限りのことをしようと考えるんだ。

そんなわけで、ホビットMk-Ⅱについても、新たに配備すると決めた。

アップデートを重ねたことで性能が向上したのもあってな。

使われている材料の違いがもたらす強度や耐久性の差については比べるべくもないにせよ、それ以外の性能については、作られたばかりの頃のドーベルマンDK-aにかなり迫るものが実現されている。

それでも、マンティアンやヒト蜘蛛アラクネが相手だと心許ないが。なに、応援が駆けつけるまでの間の時間稼ぎができればそれでいいさ。

そのためのロボットだ。

りくと若いマンティアンとの一件で、ドローンによる時間稼ぎには課題が多いことも改めて感じたしな。

で、思い切って二十機を手配した。それが、河岸に造られた仮設のヘリポートに、オートジャイロに搭乗して次々と到着する。

もちろん、オートジャイロについてはそんなにたくさんあっても持て余すので、ホビットMk-Ⅱを降ろしたらそのままお帰りいただく。

オートジャイロ自体がロボットだからできることだな。

そして到着したホビットMk-Ⅱも、ロボットであるがゆえに休息をとる必要もなく、そのまま配置に着く。

俺達の集落を取り囲むように、さらに二十機のホビットMk-Ⅱが配されるわけだ。

で、俺達の集落を守ると同時に、じょうゆう游煉ゆうれんりくせい達も守るわけだ。

それは当然、他の子供達を守ることにも繋がる。さらには、駿しゅん達を守ることでもある。

ますます守りが固くなるな。

しかしこれでもなお地球人社会じゃぜんぜん不十分だろうけどな。

『市民の安全を疎かにしてる!』

と抗議の声が上がるほどだろう。

数はともかく、警備用のレイバーギアにも遠く及ばない性能のロボットじゃ、不安に思うのも当然だな。

それだけ地球人は非力だということだ。

とはいえ,俺の子供達はそこまで非力じゃない。

これまでだってしっかりと生き延びてきたんだから、地球人ほどは手厚く守らなくても大丈夫だろうさ。

あくまで俺自身が安心したいからというのが一番ではある。

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