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第四世代
閑話休題 ドーベルマンDK-a拾弐号機 その3
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若いマンティアンの方も、途轍もない身体能力を発揮してみせるものの、ドーベルマンDK-a拾弐号機はそれを安々と上回ってみせる。
四本ある脚のうち、前の二本を高く掲げ、その先に付いているタイヤを前に突き出すと、その姿はまるでボクシンググローブを付けたボクサーのようであった。
華奢なマニピュレータは、戦闘、特に打撃には向かないので、密林の中を自在に走り抜けるために頑強に作られた脚を<打撃用のマニピュレータ>代わりに使うという運用方法が取られていた。
悪路走破用のパンクレスタイヤも、生物相手なら、生身の人間の拳よりもずっと打撃に適している。
後ろの脚二本だけで立つことになるが、それについても、あくまでより確実な運動性能を発揮するための四本脚であって、二本脚で立つことも何も問題はなかった。
体勢を立て直して改めて拾弐号機と対峙した若いマンティアンも、その奇妙な振る舞いに明らかに戸惑っていた。
それで諦めて逃げれば拾弐号機は深追いはしないので、安全を確保できるのだが、その発想はないようだ。
正直、まさしく身の程をわきまえない蛮勇と言える。相手によってはそれこそ長生きできないだろう。
しかし、拾弐号機の役目は殺戮ではなく、力の差を思い知ってもらって引き下がらせるのが狙いだった。そこで諦め悪く無駄に粘ればそれだけ痛い思いをすることになるというだけの話である。
だからなるべく早い段階で力の差を思い知ったもらうために、致命的なダメージは与えないようにしつつもそれなりに厳しい攻撃は行うことになる。
致命的なダメージを与えないようにするための手加減を行うためにも、それまでに蓄積されたデータが役に立つ。
どの程度の打撃であれば骨折などの重傷を負わせずに済むかというのも、すでに分かっている。
それに基づき、再び飛び掛かってきたマンティアンの鎌が届くよりも早く、拾弐号機の右前脚による一撃が相手の顔面を捉えた。生身の地球人であれば顔面の骨が砕け、下手をすれば首の骨が折れてもおかしくないような殴打(蹴り?)だった。
なのに、それほどのものをくらいながらも、若いマンティアンは、ガクンと膝から崩れ落ちそうになったのを持ちこたえ、鎌で拾弐号機の前脚を捉えてみせた。
腕に比べればまだ頑強そうにも見えつつも、やはり華奢な印象には変わりのない脚ではあっても、同じ重量のタングステン鋼をはるかに凌ぐ強度と硬度を持つ素材によって作られたそれは、見た目よりもずっと強靭で、傷一つ付かなかったのだった。
四本ある脚のうち、前の二本を高く掲げ、その先に付いているタイヤを前に突き出すと、その姿はまるでボクシンググローブを付けたボクサーのようであった。
華奢なマニピュレータは、戦闘、特に打撃には向かないので、密林の中を自在に走り抜けるために頑強に作られた脚を<打撃用のマニピュレータ>代わりに使うという運用方法が取られていた。
悪路走破用のパンクレスタイヤも、生物相手なら、生身の人間の拳よりもずっと打撃に適している。
後ろの脚二本だけで立つことになるが、それについても、あくまでより確実な運動性能を発揮するための四本脚であって、二本脚で立つことも何も問題はなかった。
体勢を立て直して改めて拾弐号機と対峙した若いマンティアンも、その奇妙な振る舞いに明らかに戸惑っていた。
それで諦めて逃げれば拾弐号機は深追いはしないので、安全を確保できるのだが、その発想はないようだ。
正直、まさしく身の程をわきまえない蛮勇と言える。相手によってはそれこそ長生きできないだろう。
しかし、拾弐号機の役目は殺戮ではなく、力の差を思い知ってもらって引き下がらせるのが狙いだった。そこで諦め悪く無駄に粘ればそれだけ痛い思いをすることになるというだけの話である。
だからなるべく早い段階で力の差を思い知ったもらうために、致命的なダメージは与えないようにしつつもそれなりに厳しい攻撃は行うことになる。
致命的なダメージを与えないようにするための手加減を行うためにも、それまでに蓄積されたデータが役に立つ。
どの程度の打撃であれば骨折などの重傷を負わせずに済むかというのも、すでに分かっている。
それに基づき、再び飛び掛かってきたマンティアンの鎌が届くよりも早く、拾弐号機の右前脚による一撃が相手の顔面を捉えた。生身の地球人であれば顔面の骨が砕け、下手をすれば首の骨が折れてもおかしくないような殴打(蹴り?)だった。
なのに、それほどのものをくらいながらも、若いマンティアンは、ガクンと膝から崩れ落ちそうになったのを持ちこたえ、鎌で拾弐号機の前脚を捉えてみせた。
腕に比べればまだ頑強そうにも見えつつも、やはり華奢な印象には変わりのない脚ではあっても、同じ重量のタングステン鋼をはるかに凌ぐ強度と硬度を持つ素材によって作られたそれは、見た目よりもずっと強靭で、傷一つ付かなかったのだった。
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