未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

深編 自分の家

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新暦〇〇三八年四月三十日



連是れんぜ様。今日、ほまれ様が正式にボスの座を退き、とどろきにすべての権限を委譲なされました」

昼過ぎ、不意にメイフェアからそんな連絡が入った。

「ああ、そうか。ついにか……」

俺もずっと以前から予測はしてたからな。驚きこそはなかったものの、何とも言えない気分にはなった。

「それで、群れの様子はどうだ? なにか戸惑いや混乱はあるか?」

問い掛ける俺に、メイフェアは、

「いえ、表立ってはなにも。これまでに実質的な権限はとどろきに移っていましたから、それが功を奏した形ですね。また、ほまれ様が何か声明を出されたという形でもありません。ただ私に、

とどろきにボスの座を譲ることにした。あいつを支えていってやってほしい』

と告げられただけです」

と応えた。

「なるほど」

地球人の場合はこういう時には何らかの公的な発表を行って儀式めいたことを催したりするんだろうが、パパニアンにはそういう習慣はない。ボスの座が移る時にはたいてい衝突があってその結果としてというのがほとんどだから、まあそれ自体が<一種の儀式>になってるのかもしれないにしても、具体的なものはないんだ。

また、ここで何かドラマチックな展開があればウケるのかもしれないにしても、俺自身はそういうのを見世物にしたいとも思わない。それで誰かが傷付いたり苦しんだりというのも望んでない。

ヒト蜘蛛アラクネばんは人生の幕引きを、

『自身の遺伝子を引き継いだ個体に殺される』

という劇的な形で行ったが。

無責任な観客の立場でならそれを楽しめても、彼に対しても少なからず感情移入していたんだろうな。正直、胸が痛んだよ。少しとはいえ。

俺とは何の繋がりもない彼に対してもそうだったんだから、実の息子であるほまれがそんな形で世代交代を果たすのを見たいとは思わないんだ。だから、穏当にボスの座の移譲が行われたのなら。それに越したことはない。

ほまれに、『今までお疲れさん』と伝えてくれ。それから、もし、ここに戻ってくるのなら歓迎するとも」

俺の言葉に、メイフェアも、

「はい。そのようにお伝えいたします」

と応えてくれた。ロボットは嘘が吐けないから、そう応えたならその通りにしてくれるのは確定事項だ。ただ、

『あいつはそのまま、群れに残る気がする……』

具体的な根拠はないが、確信めいたものが俺の中にはあった。とどろきにボスの座を追われてまともに生きるのもままならなくなったのならここに帰ってくることも選択肢の一つだとしても、そうじゃないなら、あいつにとってはあの群れそのものがもう<自分の家>だよな……

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