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第四世代

深編 人間の経済活動の補助

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新暦〇〇三八年四月二十六日



『ありがたいことなんだから感謝するべき』

などという理屈を基に『親を敬え。感謝しろ』と口にしつつその一方で、

『企業にとって人員調整が比較的容易だというありがたい存在であるアルバイトや派遣については軽んじ見下し蔑んでもいい』

と考えてるなんてのは、

『自分に都合のいいように道理を使い分けてる』

以外の何だって言うんだ? 正社員であろうがアルバイトであろうが派遣であろうが雇用してる側からすれば<労働者>であることには何の違いもないし、その労働者を使うことで雇用してる側の存在も成り立ってるという事実から目を背けてるだけだろう?

別に俺は、

『アルバイトや派遣を甘やかすべきだ』

と言ってるんじゃない。アルバイトだろうが派遣だろうが、何度も言うように、

<労働を提供しその対価として賃金を得る労働者>

である以上は、

<提供を求められている分量と質の労働を提供する義務>

があるはずだしな。それを提供しなけりゃ当然、

<対価としての賃金>

も得られないはずだ。

『どうせアルバイトなんだから派遣なんだから真面目に働かなくても適当に時間を潰してればその分の賃金はもらえる』

なんて理屈は通らない。あくまで、

『正社員が提供してる労働ほどの質は求められていないからこそ、その分だけ賃金も安かったりする』

だけでしかないはずなんだよ。俺は親として子供達にそれを教えていきたいと思ってる。

まあ、今の時点じゃ、

<賃金をもらえるような仕事>

そのものがまだここにはないけどな。だから、単に知識として残していくだけしかできないが。

それについてはエレクシア達がしっかりと理解してくれているから、必要になれば伝えていってくれるとは思う。と言うか、

<職場における人間の補助>

には、その辺りを見守ることも含まれているそうだ。

雇用してる側が労働者を搾取するようなことをしていれば関係省庁に通告するという役目を担ってるのと同時に、労働者側が不当に賃金を詐取するようなことをしていないかどうかという点についても見ているということだな。『どうせアルバイトなんだから派遣なんだから真面目に働かなくても適当に時間を潰してればその分の賃金はもらえる』なんて理屈を認めるわけにはいかないからな。サボってるのを見れば、

『それは望ましくありません』

と告げてくるし、それでも改まらなければ雇用してる側に報告もする。

これは<監視>じゃなく、どこまでも<人間の経済活動の補助>なんだよ。

ただそれがきちんと成立するためには、『企業にとって人員調整が比較的容易だというありがたい存在であるアルバイトや派遣については軽んじ見下し蔑んでもいい』なんて理屈も認められないってわけだ。

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