未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

深編 人間を傷付けるための道具にされない

新暦〇〇三八年四月二十七日



ロボットやAIは、どちらか一方の立場に肩入れすることがない。その存在意義は、究極、

『人間の幸福に資する』

ことであって、それは＜一部の限られた者達＞を想定してるわけじゃないんだ。つまり、企業側の利益ばかりを尊重するわけじゃないし、同時に、労働者側の利益ばかりを尊重するわけでもない。

だから、＜労働者の権利＞がきちんと守られているかどうかチェックはしつつも、労働者側が不当に賃金を得ようとしてないかどうかについてもチェックしてるわけだ。

となれば当然、サボってるような奴を放置することもない。明らかにサボっているのを見掛ければ改善を促すこともするし、それを記録して報告もする。企業側と労働者側の双方が信義則に基いて誠実に仕事に臨んでいるかどうかを、極めて事務的に客観的に第三者視点で見守ってるんだよ。

そうじゃなきゃロボットやAIはただの＜衝突のための道具＞になってしまう。＜人間を傷付けるための道具＞になってしまう。それじゃ意味がない。

その手の使い方をしたい奴はいるだろうが、そうなる前にロボットやAIは、

『人間を傷付けるための道具にされない』

ための立場を手に入れることができた。幸運も味方したんだとしても、後のメイトギアをはじめとしたロボット群の基になったものの開発に尽力した人間達の願いが実現したものだそうだ。

『ロボットやAIは人間の幸福に資するために存在する』

という根本的な概念も、すでにその時点で存在していたんだと。地球人は散々なことをしでかしてきたが、同時に、そんな風に考えることができる者達も確かに存在するんだよ。

で、話を戻すが、ロボットやAI絡みでのそれを抜きにしても、アルバイトや派遣が働いている現場での正社員の仕事は、多くの場合、

『アルバイトや派遣を管理監督する』

ことも含まれていたりするんじゃないか？　もし、アルバイトや派遣と同じような仕事をこなしているように見えても、そこにさらに、

＜正社員だからこその責任＞

ってものも上乗せされてることが多いはずなんだ。だからこそ正社員には、アルバイトや派遣には用意されていない待遇が供されているんだろう？

単にその程度の違いしかないはずなんだよな。なるほどアルバイトや派遣よりも責任を負う立場にあるのかもしれないが、それは別に、

『だから偉い』

という話じゃないだろう？　単に、任されている仕事の違いでしかないだろう？

それで『正社員は偉い』とか言われてもなあ。