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第四世代

深編 異性に対する嫌悪感

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新暦〇〇三八年四月七日



多様性を認める認めないの話も非常に複雑で厄介なものだから、どうしても長くなってしまうが、せっかくだし俺自身が一区切りつけられたと考えられるまで続けさせてもらおうか。

で、その話で、二十一世紀頃に問題になってたのが、

<肉体の性はそのままで性自認だけが逆転してる者がプライベートスペースに立ち入る際のあれこれ>

だったらしいな。

これについても長く懸案事項だったらしいが、<性別適合治療>が進歩したことで外見も機能も完全に当人の性自認と適合したものになることで、事実上の解決を見た形だな。

なにしろ、外見上も肉体の機能もちゃんとしてるんだ。他者の内心を可視化できてるわけじゃない以上は、もうそこで終わりなんだよ。

だいたい、

<異性に対する嫌悪感>

の大部分は、

『自分を性の対象として見られる』

ことについてのものらしいじゃないか。だからこそ、異性を性の対象として認識できないと見做されている乳幼児については、公衆浴場においてもどっちでも入れたりしたんだろう? まあ今じゃ、専用のメイトギアの補助により子供だけで公衆浴場に入ることもできるようになったおかげで、男の子を連れて女湯に、女の子を連れて男湯に、なんてこともほとんどなくなったそうだが。

まあこれについては、

<どんなに幼い子供であっても性の対象として見てしまうタイプの人間>

がいることで、子供の方が周囲の異性を性の対象として見なくても、

『周囲の人間の側に、子供を性の対象として見てしまうのがいるから、公衆浴場なんかでは避けた方がいい』

ってのがあるのも事実ではあるそうだ。

なので、<ジェンダー論>とはまた少し話が別だからこれについては今の時点では脇に置くとして、

<性自認が女性である男性が女湯や女子トイレを利用することに対する抵抗感>

に関しても、俺個人としては、

『そりゃ当然だろう』

とは感じるんだよ。だが同時に、

『同性を性の対象として見ることができてしまう者に対してはどうすりゃいいんだろうな』

と思ってしまうのも正直なところだ。

そう考えると、

『男性の体を持つ者が女湯や女子トイレに入る』

ことに対する嫌悪感の正体ってのは、いったい、何なんだろう? 

風呂の場合は体そのものが見えてしまうからギョッとなるのは分かる。分かるが、女子トイレについては、<女性らしい恰好>をしていれば分かりにくくないか? まあたまに女装した男が侵入して逮捕されたなんて話もあったりするが、それは結局のところ、そいつの性自認自体が男だからってのが大きいみたいだしな。

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