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第四世代
深編 ストレスフルな世界
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新暦〇〇三八年三月十七日
そうだ。
『なるべくストレスを掛けないように掛からないように努力してもゼロになることは決してない』
それは事実なんだよ。
なにしろ生きていることそのものがストレスなんだからな。
『腹が減った』
『眠い』
『起きたくない』
『疲れた』
『体が痛い』
そういう、生きていれば必ず感じる諸々自体がストレスだし、
『生きていればいつかは必ず死ぬ』
という現実が何より途轍もないストレスのはずだ。
これも何度も言っているように、そういう避けようのないストレスに加え、わざとストレスを掛ける必要がどこにあるのかが、今の俺には分からないんだ。
<ストレス耐性>などというトンデモ科学も無意味だと分かってるしな。
『ストレスを掛けることでストレス耐性を鍛える』
なんてのが本当にあるのなら、野生に生きている動物のストレス耐性なんてのは人間なんか比べものにならないもののはずだが、実際の野生の動物は、かなり繊細だったりしてストレスに弱かったりするし。
ストレスがかかることでストレス耐性が鍛えられるなら、それはおかしいだろう?
自分以外の誰かにわざとストレスを掛けようなんてのは、所詮、自分のストレスを誰かに転嫁することで発散しようってだけの話だし、『ストレスを掛けることでストレス耐性が鍛えられる』なんてのも、自分のストレスを誰かに転嫁して発散したい奴の自己正当化のための詭弁でしかないんだよ。
そうだ。深も、決して、
『ストレス耐性が強い』
わけじゃない。それは見ていれば分かる。死が身近な世界に生きていることで常にストレスが掛かっている状態だが、あくまでそこに余計なストレスが過剰に掛からない状態でいられれば穏やかに過ごしてもいられるだけでしかない。
そのために彼女には、余計なストレスが掛からない環境を提供してきたつもりだ。
和や陽や麗や萌花が賑やかに騒いではいても、それ自体は彼女にとっては大したストレスにならない。彼女自身に何らかの危険が及ぶようなことじゃないからな。
そうだ。死が身近でストレスフルな世界に生きているからこそ、
『自分に危険が及ばないようなことについては別にどうでもいい』
っていうだけなんだろうさ。
対して地球人は、死をそこまで意識しなくても済む環境に慣れ過ぎて、
<自分が思う快適な環境>
ってのを乱す他者に対してストレスを強く感じるようになってしまったというのもあるのかもしれないな。
まあ、それを『ストレス耐性が低い』と考える奴もいるということなんだろうが。
そうだ。
『なるべくストレスを掛けないように掛からないように努力してもゼロになることは決してない』
それは事実なんだよ。
なにしろ生きていることそのものがストレスなんだからな。
『腹が減った』
『眠い』
『起きたくない』
『疲れた』
『体が痛い』
そういう、生きていれば必ず感じる諸々自体がストレスだし、
『生きていればいつかは必ず死ぬ』
という現実が何より途轍もないストレスのはずだ。
これも何度も言っているように、そういう避けようのないストレスに加え、わざとストレスを掛ける必要がどこにあるのかが、今の俺には分からないんだ。
<ストレス耐性>などというトンデモ科学も無意味だと分かってるしな。
『ストレスを掛けることでストレス耐性を鍛える』
なんてのが本当にあるのなら、野生に生きている動物のストレス耐性なんてのは人間なんか比べものにならないもののはずだが、実際の野生の動物は、かなり繊細だったりしてストレスに弱かったりするし。
ストレスがかかることでストレス耐性が鍛えられるなら、それはおかしいだろう?
自分以外の誰かにわざとストレスを掛けようなんてのは、所詮、自分のストレスを誰かに転嫁することで発散しようってだけの話だし、『ストレスを掛けることでストレス耐性が鍛えられる』なんてのも、自分のストレスを誰かに転嫁して発散したい奴の自己正当化のための詭弁でしかないんだよ。
そうだ。深も、決して、
『ストレス耐性が強い』
わけじゃない。それは見ていれば分かる。死が身近な世界に生きていることで常にストレスが掛かっている状態だが、あくまでそこに余計なストレスが過剰に掛からない状態でいられれば穏やかに過ごしてもいられるだけでしかない。
そのために彼女には、余計なストレスが掛からない環境を提供してきたつもりだ。
和や陽や麗や萌花が賑やかに騒いではいても、それ自体は彼女にとっては大したストレスにならない。彼女自身に何らかの危険が及ぶようなことじゃないからな。
そうだ。死が身近でストレスフルな世界に生きているからこそ、
『自分に危険が及ばないようなことについては別にどうでもいい』
っていうだけなんだろうさ。
対して地球人は、死をそこまで意識しなくても済む環境に慣れ過ぎて、
<自分が思う快適な環境>
ってのを乱す他者に対してストレスを強く感じるようになってしまったというのもあるのかもしれないな。
まあ、それを『ストレス耐性が低い』と考える奴もいるということなんだろうが。
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