未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

深編 馬鹿馬鹿しいほどシンプル

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そうして、ひなたうららの仲がいいことに拗ねて一人で密林の中を<散歩>していたまどかを、ドローンのアシストを受けながらホビットMk-Ⅱがついていく。

と言っても、そのままじゃまったくついていくことさえできていない。ドローンが彼女の位置を確実に捉えて常にホビットMk-Ⅱと情報共有しているから、彼女が立ち止まったり、方向転換した時にショートカットすることでかろうじて追いつけるだけではある。

これがドーベルマンDK-aならそのままでもなんとかついていけるんだが。

彼女を追って密林の中を駆けていくホビットMk-Ⅱの姿は、もはや<健気>でさえあるか。そんなホビットMk-Ⅱを気遣わないまどかのことを批判的に見る人間(地球人)さえいそうなくらいにはな。

でも、そうじゃないんだ。人間が道具であるロボットを気遣い過ぎるというのは、むしろ本末転倒なんだよ。特に、実年齢じゃまだ十歳でしかないまどかがそこまで配慮できる方がおかしいさ。ひかりなんかは配慮もできるが、それはあくまでひかりが、

<経験を重ねて様々な配慮ができるようになった大人>

であるからこそのものだしな。

そういうもののはずなんだ。

体こそすっかり<地球人の成人>と同じそれになったまどかであっても、十歳じゃさすがに。

パパニアンとして生きる分にはもう十分な能力はある。実年齢で七歳や八歳でもう立派な<成体おとな>になるパパニアンとしてなら。子供だって産めるし育ててもいけるだろう。だが、<人間>はそうじゃないんだよな。

今のここの社会なら、問題なく生きていくこともできるさ。仕組みも制度も、ほとんどないに等しいここでは、覚えなきゃいけないことも地球人社会に比べれば比較するのも馬鹿馬鹿しいほどシンプルだし。地球人社会においても十代半ばで成人として認められるような社会だった頃は、その後の異様なまでに複雑化して覚えなきゃいけないことがとんでもなく増えた社会と比べればやっぱりシンプルだったからこそ、そんな年齢でも成人としてやっていけたんだろうし。

その違いを理解もせず、

『昔は十代半ばで大人として生きられてた!』

みたいなことを言う奴の方こそが現実を見てないってもんだろうな。俺はそうとしか思わない。

だからこそ、まどかが子供っぽい未熟さを見せても、そのこと自体を責めるつもりはないんだよ。それどころか、彼女を責められるほど俺は立派な人間じゃないという事実しかないわけで。

それをわきまえてるとな、『頭ごなしに怒鳴ったりとかする』のがいかに幼稚かってのが分かるというもんだろ。

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