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第四世代

深編 今の状況がまさしく

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そうして捕まえた小動物をおやつ代わりに齧りつつ、まどかは片手と両足だけで器用に木々を渡って移動する。地球人で彼女と同じことができるのはほとんどいないだろう。<パルクール>とか言われるパフォーマンスであっても、あくまで地球人の基準で考えれば途轍もないものであっても、握力をはじめとした筋力等、そもそもの身体能力が桁違いなので、『まったく同じ』ことはできないだろうな。

それこそ指一本がどこかに引っかかっていたら体を振り回していても余裕で耐えらるのを相手にはできないだろ。

これでも、うららにはまだ及ばないだろうさ。肉体的にも本来のパパニアンのそれを有しているうららは、足の指自体が手の指と同じように使えるんだ。地球人そのものの姿をしているまどかは、なるほど地球人に比べれば足でも字を書けるくらいに器用には動くものの、さすがにうららほどじゃない。まあ逆に、うららは字は上手く書けないけどな。足でだけじゃなく、手でも。ペンを鷲掴みにしてぐりぐり動かしてよく分からない模様を描くことはできるんだが、意味の通じる言葉や絵を書いたり描いたりはできないんだ。

だからといってどちらが優秀だとかという話じゃないぞ? それぞれ生きる上で必要な能力は備えてるしな。加えて『能力の違い』がそのまま『生き易い』『生き難い』に直結する社会にはしないように心掛けたいと考えてる。

地球人社会では散々それで様々な問題が生じてきたわけで。

まあ、ロボットがサポートしてくれるようになってからはかなりマシになったらしいというのもありつつ。

また、医療面での進歩で、<身体的なハンデ>についてはほとんど解消されるようになったし。

それでもなお、俺の妹の光莉ひかりのような事例もあったわけで、対応が難しい、対応できない、そんなのも根絶はされてなかったな。

ここでも最初からロボットが社会を支えてくれるようにできたとしても、すべての問題が解消されるとは限らない。限らないが、だからといって対処しないのも違うだろうさ。

で、また余談になってしまったが、こうやってまどかが拗ねて勝手なことをしていてもフォローできる程度の体制は作れている点では、誇らしくもある。

ほまれの時にこれができていれば』

とも思わなくはないものの、これも<たられば>でしかないし、今さら悔やんでも過去は変えられん。

大事なのは常に『これから』だ。過去は経験として活かしていけばいいさ。

とは言え、まどかにとっては今の状況がまさしく<今現在>なわけで、これを彼女がどうしていくか、見守らないとな。

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