未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

深編 彼女が何を望んでいようとも

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新暦〇〇三八年三月五日



しんは、俺の姿に一体何を見ているんだろう? まったく想像もつかない。当然か、俺はただの<地球人>で、彼女はここ惑星・朋群ほうむに生きる野生の獣の一人なんだから、分かる方がおかしいし、分かったふりをするなんてのはそれこそ愚かしいと思う。

彼女が何を望んでいようとも、それを認めるだけだ。

俺にできるのは。

たとえ、俺を食おうとしてるとか、殺してやろうと思ってるとか、だとしてもな。

無論、だからと言って素直に食われてやるつもりも殺されてやるつもりもないさ。彼女が何を望んでいようとも認めるのと、漫然と受け入れるというのは別の話だし。あくまで、

『彼女の内心まで俺が干渉することはない』

というだけの話だよ。その辺をわきまえない奴は、

『相手の望んでいることを認めるのなら、そいつに殺されたって文句は言わないんだよな!?』

とか、子供みたいなことを言ったりもするが、『認める』というのと『何も対処しない』というのは違うとなぜ分からない? あくまで相手が自分に対して不穏なことを考えていたとしても単にそれだけで排除しようとするとかはしないというだけの話だ。

『自分にとって都合のいい考え方しかしない者の存在しか許さないわけじゃない』

というだけでしかない。自分を利口だと思うのならそのくらいは理解できると思うんだがなあ。

『多様性を認める』

てのもそういうことじゃないのか? 相手が自分とは違う価値観を持ってるということを認めるとしても、だからって『相手の言いなりになる』のは違うんじゃないのか?

『どういう価値観を持っていても構わない。ただ、そのすべてを制限なく受け入れることはできない』

ってだけの話だと思うんだけどな。だからこそ、

『相手の主張を丸呑みしない』

なんてのも成立するわけで。

翻って、それを理解すればこそ、

『この世の中は何もかもが自分の思い通りになるわけじゃない』

というのも理解できるしわきまえられるんじゃないのか?

俺はそう思うんだよ。

『自分の価値観を理解してほしい!』

『自分の生き方を認めてほしい!』

と主張することさえ許さないというのは、それ自体が<甘え>だろ。何もかもを聞き入れることができないのは事実ではあっても、実は『主張すること自体が許せない!』『おとなしくしとけ!』なんてのが通らないのも、

『何もかもを聞き入れることはできない』

って話なんだってのを実感する。

自分が社会というものを作り上げていく、それを考えなきゃいけない立場になればこそな。

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