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第四世代
彗編 墓標
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新暦〇〇三七年十二月二十日
翔がその人生の幕を下ろして一週間が過ぎた。
俺達の集落にだんだんと墓標が増えていく。コーネリアス号の部材の一部から削り出して作ったそれは腐食に強く、まったく手入れなしでも数百年はそのままというものだった。きちんと手入れすればそれこそ一万年でももつものらしい。
まったく、墓標としてはこれ以上のものはないよな。
だが、だからこそ無限に増えていってしまうか。連も明も翔もここには遺体はないが。
そうなると、<〇〇家の墓>的な形でまとめてしまう必要も今後は出て来るかもな。
『そもそも墓なんて要るか?』
という話もあるが、俺も昔はそう思っていた時期もあったが、こういうモニュメント的なものは、生き残った人間にとっての<心の拠り所>にもなるというのも今は実感してるから、何らかの形ではあってもいいのかなと思う。
<人間>ってのは、そういう<メンドクサイ生き物>なんだよ。
死んだ本人は『要らない』と思ってても、残された方はそれを欲してしまうこともあるしな。
『その人がこの世界に存在した』
という、
<何らかの目に見える形>
が欲しいのかもしれない。こういうところからも、今さら<動物としての本能>を盾に他者を傷付けようとする行いを正当化するというのも無理がある気がする。
他者を傷付け虐げるようなものでなければ、まあ別にそれほど気にしなくてもいいのかもしれないが。
しかし少なくとも<イジメ>や<暴力>を正当化しようなんてのは卑劣以外の何ものでもないだろ。
だから俺はそれを正当化しない。外敵の攻撃から身を守るために力を行使することは必要でも、同じ人間を傷付けるために使うのは認めない。
改めてそんなことを考える。
ところで、墓標を建てた時には俺と一緒にそれを見つめていたりもした深だったが、あれ以降は別に興味を示すでもなくこれまで通りにのんびりと怠惰にも見える様子で自分の部屋で寛いでる。
ただその深もかなり年齢を感じさせる姿になってきたな。地球人の高齢者のような印象とはまた違うものの、明らかに<若さ>はない。<おばちゃん><おばあちゃん>な感じは確かにする。
母親の伏もそうだった。だから深も、明日の朝に起きてこなくても何の不思議もないんだ。これは、誉や走や凱も同じ。新や焔や彩や凛だって、他人事じゃない。
いよいよ次の<見送りラッシュ>が来る頃かな。
地球人の形質を持つ光や灯は、まだ十分に若い印象もありつつ。
その辺りがそもそも違ってるってのは間違いなくあるだろうなあ。
翔がその人生の幕を下ろして一週間が過ぎた。
俺達の集落にだんだんと墓標が増えていく。コーネリアス号の部材の一部から削り出して作ったそれは腐食に強く、まったく手入れなしでも数百年はそのままというものだった。きちんと手入れすればそれこそ一万年でももつものらしい。
まったく、墓標としてはこれ以上のものはないよな。
だが、だからこそ無限に増えていってしまうか。連も明も翔もここには遺体はないが。
そうなると、<〇〇家の墓>的な形でまとめてしまう必要も今後は出て来るかもな。
『そもそも墓なんて要るか?』
という話もあるが、俺も昔はそう思っていた時期もあったが、こういうモニュメント的なものは、生き残った人間にとっての<心の拠り所>にもなるというのも今は実感してるから、何らかの形ではあってもいいのかなと思う。
<人間>ってのは、そういう<メンドクサイ生き物>なんだよ。
死んだ本人は『要らない』と思ってても、残された方はそれを欲してしまうこともあるしな。
『その人がこの世界に存在した』
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が欲しいのかもしれない。こういうところからも、今さら<動物としての本能>を盾に他者を傷付けようとする行いを正当化するというのも無理がある気がする。
他者を傷付け虐げるようなものでなければ、まあ別にそれほど気にしなくてもいいのかもしれないが。
しかし少なくとも<イジメ>や<暴力>を正当化しようなんてのは卑劣以外の何ものでもないだろ。
だから俺はそれを正当化しない。外敵の攻撃から身を守るために力を行使することは必要でも、同じ人間を傷付けるために使うのは認めない。
改めてそんなことを考える。
ところで、墓標を建てた時には俺と一緒にそれを見つめていたりもした深だったが、あれ以降は別に興味を示すでもなくこれまで通りにのんびりと怠惰にも見える様子で自分の部屋で寛いでる。
ただその深もかなり年齢を感じさせる姿になってきたな。地球人の高齢者のような印象とはまた違うものの、明らかに<若さ>はない。<おばちゃん><おばあちゃん>な感じは確かにする。
母親の伏もそうだった。だから深も、明日の朝に起きてこなくても何の不思議もないんだ。これは、誉や走や凱も同じ。新や焔や彩や凛だって、他人事じゃない。
いよいよ次の<見送りラッシュ>が来る頃かな。
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その辺りがそもそも違ってるってのは間違いなくあるだろうなあ。
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