未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

彗編 死を理解できなかった

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新暦〇〇三七年十月八日



楼羅ろうらが死んだ時には、しょうはその死を理解できなかっただけで、だからそれまでと同じように世話をしようとしていただけで、

『死を悲しんでた』

わけじゃないのが、今思い返してみても分かる。なにしろ、楼羅ろうらがもう動かない乳も飲まない成長しないというのが理解できたのか、ミイラ化した我が子を放り出していたわけだし。

そうだ。あくまで生きてるものとして接しようとしていただけだ。

他にも、しんが生きて生まれてこれなかったれんを胎盤と一緒に食ってしまったのも本質としては同じだろう。そもそも生きて生まれてこれなかったんだからしんとしては『命として認識できなかった』だけだと思う。

<死>というものに対する認識がそもそも人間(地球人)と違うんだ。

たいがもう動かないと感じた時にしょうはそれを悲しんだんだとしても、丁寧に巣から下ろして悼んだんだとしても、他の獣に食われるままにした辺り、これまた人間(地球人)とは違ってるわけで。

まあ、地球においても、<鳥葬>や<風葬>といった形で敢えて遺体を放置する風習を持つ者達もいたらしいが、やっぱり一般的とは言い難いしな。

<死>というものを日常から切り離そうとした<人間>は、もはや野生とは完全に決別したんだと思う。だからこそ、野生としての本能を言い訳に使うのは俺は違うとしか思わないんだ。卑劣だとしかな。

その辺りのことも、改めて考えいかなきゃいけないと実感させられた。

と同時に、地球人社会において<結婚>というものが本当にまともに機能していたのかというのも改めて疑問に感じたな。

しょうのパートナーのたいや、めいのパートナーのかくは、生涯、しょうめいと添い遂げてくれたが、すい清良せいら以外の雌には興味を示さないが、だからといってそれが<正しい姿>だと断定もできない。むしろ<例外的な事例>と言った方がいいだろうというのも事実だ。

地球人も、相手を独占するために<婚姻制度>を作り出したもののそれは必ずしも成功していたとは言い難いという印象は強くある。

だから朋群ほうむ人社会では婚姻制度は敢えて取り入れない方がいいような気もするんだ。

そもそも、

『他者を自分の所有物と見做す』

みたいな考え方に無理がある気がするしな。相手を人間と認めればこそ所有物と考えるのは違うんじゃないかと思えて仕方ない。

もちろん、互いに『その人だけ』を愛することができるならそうすればいいさ。たいかくすいのように。でも、そうじゃない者にそれを強要することが本当に好ましいのか? 自分一人だけを愛することができない相手だったら、それを受け入れるか、受け入れられないなら諦めるか、そのどちらかだと思うんだけどな。

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