未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

彗編 貴重なデータ

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新暦〇〇三七年九月二十七日



とまあ、人間の場合はこうやってあれこれ考えなきゃいけなかったりするが、すいはただ淡々とフォルトナの面倒を見てた。餌を捕えて運び、彼女に与える。

するとフォルトナも、すぐにすいを自分の親として受け入れた。もちろん最初は戸惑ってるような様子を見せてもいたが、自分が生きる上においては何の不都合もなかったからな。すいを親として受け入れることは。

「……」

そしてすいも、フォルトナががつがつと餌を貪っている様子を、ただ静かに黙って見ている。人間のような<穏やかな表情>は作らないものの、だからといって険しい表情をしてるわけでもない。だからこれ自体が、彼にとっては<穏やかな表情>なんだよ。彼はとても穏やかな様子でフォルトナを見てるんだ。

画面上で確認できるバイタルサインだけでも、彼が落ち着いた様子なのがエレクシアには読み取れてしまう。

「私にとっても貴重なデータだね」

タブレット越しに彼とフォルトナの様子を観察しているレックスも、専門家としてそう口にした。俺としてもレックスが見てくれているのはむしろ心強い。エレクシアもあれこれ解説はしてくれるものの、彼女が持ってるのはあくまで<過去のデータ>に基づいた知見であって、リアルタイムの見解じゃない。そして彼女自身の意見でもない。

それがAIというものだ。

AI自身が考えてるわけじゃないんだ。

もちろんそれも役には立つし必要なものだが、新しいものを理解していくにはまた別の発想が必要だからな。今はそれをレックスが担当してくれている。

ありがたいことだ。

すいとしてはそんな俺達の思惑なんか知ったことじゃないだろうが、彼は彼で自分の興味本位でそれをしてるだけなんだろうが、<父親>として俺は自分の息子のそういう意外な姿にちょっと感銘を受けていたりもするんだ。

『やっぱり生きてるんだな』

ってな。

生き物はロボットやAIと違う。ロボットやAIは元々与えられている命令や指示や行動規範に従って行動するだけだ。非常に複雑なそれだから、素人には人間のしてることと区別が付かない場合もあるが、分かる奴には分かるという。

『ただのアルゴリズムを基にした行動か否か?』

というのがな。もちろん、AI自身にもそれは判別できる。メイフェアがいくら感情を持ってるような反応を見せてもそれはただの作り物でしかないことをエレクシアには分かってしまうのと同じで。

ただただバリエーションが豊富なだけで、結局は決められた反応をしてみせてるだけでしかないんだよ。

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