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第四世代

彗編 フォルトナ

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新暦〇〇三七年九月二十三日



そんなこんなでまさかの形で始まったすいの<子育て>だったが、まだ母乳が必要だった頃の赤ん坊だとどうにもならなかった可能性は高いにせよ、もうすでに普通の餌が食べられるようになっていたことで何とかいけているようだ。

なのでその子の名前は、

<フォルトナ>

と決まった。またしてもあかりが名付け親だ。何やら、コーネリアス号のアーカイブにあった古いアニメに出てくる<幸運の女神>の名らしい。母親を亡くし死を待つのみだったところをすいに救われたわけだから、まあ幸運ではあるんだろう。これが他のアクシーズだったらどうか分からないものの、少なくともすいが保護したのなら俺達としても見て見ぬ振りもできないしな。

だが、そんな俺達の心配をよそに、すいは実に甲斐甲斐しくフォルトナの世話をしてみせた。

餌を運び、食べやすいようにわざわざバラして彼女に与え、舐めて毛繕いをしてやり、うんちはちゃんと巣の外にやれるようにもよおしてきたのを察すると体を支えてやってた。

アクシーズは基本的に巣の外に排泄をするが、この際、子供が巣から転落する事故が割とあるようだ。それだけで死んでしまうことはあまりないものの、中には運悪く死亡する場合もあるらしい。成長すれば転落したところでそのまま地面まで何もせずに落ちたりはしないものの、やはり羽も育っていない幼いうちはな。

これに対してようは、しょうの時もすいの時も、しっかりと支えてやっていた。ちなみにそのためにようが巣にしていた俺のローバーのボディとその下の地面には、便を受け止めるためのシートを敷いていて、エレクシアやセシリアが片付けをしてくれてたよ、

さすがにしょうすいの巣にはそこまではしないとはいえ、しょうすいも自分が母親にしてもらったことを覚えているのか、ちゃんと支えてやるんだ。ただ、しょうりょうやスフィアを育てたから何度も見たが、まさかすいまで同じようにするとは。

その様子が、本当に母親のようで。

雄なのにな。

でもまあ、自分が幼かった頃のことを覚えていられれば、親にしてもらったのを真似るだけで済むのか。

加えてすいはもしかすると自分も子供を育ててみたかったのかもしれない。

<母性>というものは女性や雌にだけ備わっているわけではなく、男性や雄にもある程度は備わっているものらしい。あくまでそれほど強くないだけで。

と言うかそもそも、

『女性だから雌だから必ずしも母性が備わってる発揮される。とは限らない』

のは分かっている。そして、

『男性だから雄だから母性を発揮することはない。とは限らない』

とも言えるわけだ。

俺も積極的に育児には関わるしな。

もっとも俺の場合は、本質的には<興味本位>というのも事実ではありつつ。

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