未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

彗編 親の最後の役目

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ここで実際に野生の獣達を見てると、地球人の考える、

『子供は、年老いた親の世話をすることで恩を返せ』

という理屈の異様さをとことんまで思い知らされる。そもそも子供達が巣立ったり自立したりするとたとえ親であろうが野生を生きる上での<ライバル>であり<敵>だ。それこそマンティアンなどでは、子が親を殺して縄張りそのものを奪うということさえ日常茶飯事なんだ。

だからか、親は子供が完全に自分の力を凌駕する前に追い出したりするけどな。しかし、もう老いて完全にピークを過ぎてから育てた子相手だとそれこそ追い出そうとして反撃されて殺されたりもする。

これは、アクシーズでも稀に見られる事態だ。そしてレオンなどでも、若い雄が父親であるボスを退けてそのままボスの座に収まることもあるのが確認されていたりもする。

そう言えば、ヒト蜘蛛アラクネばんが死んだ時も、彼を殺して縄張りを奪った若いヒト蜘蛛アラクネは、ばんの血縁であることが、回収された皮膚片を解析したことから判明している。おそらく息子だったんだろう。

こうして自分の子に後を譲るのが、

<親の最後の役目>

なんだと思う。野生の獣の場合はな。

ただ、人間の場合はそこまで割り切れないというのもあるのは事実だろう。だがその一方で今では健康寿命も二百年を超えたことで老化抑制処置の効果が切れた後に過ごす数十年分の貯えを作るのも無理せず行えるようになった上に<老後の面倒>はロボットが確実に見てくれることで、子供を頼る必要もなくなった。

なくなったはずなんだが、それでもなお、『親の面倒を見て育ててもらった恩を返せ』と考える親はいて、それにまつわるいざこざも後を絶たないそうだ。

まあ、人間である上、<情>ってもんはどうしても強くあるから、

<恩を返したいと思える親>

だったらそうしたいと考えるのも無理はないだろうと思いつつも、それは決して親の方から子供に対して要求するものじゃないと、俺自身が親だからこそ思う。ひかりあかりに対して、

『育ててやった恩を返せ』

とは、これまでにも何度も語ってきたように、思わないし思えないんだよ。当然それは、錬慈れんじに対してもだ。こんな世界に俺の勝手に送り出しておいてそれを言うとか、いくら何でも『恥知らず』ってもんじゃないか?

と、俺は感じるんだ。何より、エレクシアがいれば老後も安心だしな。加えて、今ならホビットMk-Ⅱもいる。今も日々、生産され続けて、各地に配されているし、必要とあれば二機でも三機でもこちらに送ってもらうこともできる。

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