未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

彗編 すべてに当てはまる決定的なもの

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新暦〇〇三七年八月七日



いやはや本当に<子育て>には、<明確な答>というものがない。

ある程度の<指標>的なものはあるものの、

『結局は子供だって人間なんだから人間として接すればいいだけ』

という基礎部分はあるものの、それもあくまで<基礎部分>ってだけだからな。その上で子供も人間である以上はそれぞれ<独立した人格>があり、<個体差>がある。すべてに当てはまる決定的なものはないんだと、何人もの子供達を見守ってきたがゆえに実感がある。

キャサリンにしてもそうなんだというのは分かる。

姉妹でありキャサリンと性格は似ていそうなイザベラは、別に<脱走癖>なんてものはない。それどころか、未来みらいのことが好きらしくて彼の姿が見えるところでいようとする傾向はある。その上で、彼となかなか激しいレクリエーションを行ってたりする。事情を知らない者が見たら<ガチの兄妹喧嘩>だと感じてしまう程度にはエキサイティングなそれだ。

でも、確実に手加減はしてるんだよ。お互いに。地球人の感覚からすれば『やり過ぎだろ』と思うだけで。

しかし二人はちゃんと仲がいい。未来みらいはイザベラを認めてくれてるのが分かる。いい関係なんだ。

だが、イザベラとキャサリンは、確かに決定的に異なった振る舞いをしている。

どちらに対しても同じように対処できるはずがないのが、ここからも分かる。イザベラはイザベラだし、キャサリンはキャサリンなんだ。

これ自体が紛れもない事実なんだよ。

同じ母親から生まれた血の繋がった姉妹でさえこれなんだ。まったく関係のない赤の他人の子供が自分の子供と同じであると考える方がどうかしてるさ。

とは思うんだが、分かってるんだが、キャサリンはキャサリンとして見なきゃいけないと理解はしてるんだが、

「心配なのは心配なんです」

ビアンカが口にするのも共感できてしまう。

いやはや、難しいな。

なのに、当のキャサリンの方は、そんな母親の想いを知ってか知らずか、さらに遠くまで足を伸ばしていた。狩りをしつつ。

狩りをして、自ら餌を確保してそれを食い、周囲の様子を窺って自らの安全を確保し、油断はせずに体を休める。

うん、普通に野生の生き物の振る舞いとして成立してるな。

しかし同時に、

「うあ、ドウ。あれ」

傍らに控える十六号機に話し掛けたりもする。『ドウ』というのは、キャサリンが十六号機を呼ぶ時のそれだ。『ドーベルマン』とまではさすがにまだ上手く言えないみたいだからな。

でもまあ、それ自体がもう<個体名>でもいい気がするな。

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