未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

彗編 インフラの更新

ああそれで、セシリアとメイフェアとイレーネがコーネリアス号までメンテナンスに行く際、基本的にローバーを使うようにしてるのは、＜メイガス＞の目に留まるようにしてるというのもある。

コーネリアス号の乗員である＜メイガス・ドルセント＞としての記憶と人格を再現しつつもクロコディアとしての生を受け、クロコディアとして生きることにした彼女ではあるものの、だからこそ俺達とは距離を置くことにしたものの、敢えて河を遡上するローバーとそれを運転するセシリア達の姿を見掛けることがあるというのは、彼女にとってはある種の安らぎなんだそうだ。

『自分も人間として生を受けた存在だったのを自覚できる』

という意味でのな。

それがないと、自分の記憶の中にある、

＜メイガス・ドルセントとしての人生＞

が、まるで幻のように、というかそれこそ、

『自分の頭がおかしくなった』

かのように思えてきて、精神的に不安定になってしまうとのこと。クロコディアとして顕現したばかりの頃には、それでかなり苦労もしたらしい。自分の記憶が果たして本当のものなのかどうかが曖昧になってしまって、いわゆる＜拠り所＞が失われてしまった状態になったということか。

そこに、コーネリアス号のローバーが河を通るのを目にするようになって、しかもそれに乗ってるのがシモーヌやビアンカやセシリアやイレーネだって気付いて、

「私はやっと自分の記憶が本当にあったものだって自信が持てるようになったよ」

とのことだった。だから、積極的には関わらなくても、自分が何者であるかという部分を支えてもらう拠り所になるならそれでいいさ。ロボットであるセシリア達は、ローバーで何時間もかけてコーネリアス号まで行く手間を苦痛に感じたりもしないしな。

あと、その行き帰りのついでに、古くなった＜無線給電機＞の交換とかもやってもらってるし。

スーパーキャパシタを搭載しているアリアンは航続距離の心配をする必要はないものの、そもそもこんな小規模給電機じゃプールに洗面器で給水するようなもので話にならないものの、セシリアやメイフェアやイレーネ自身や、ローバーやワイバーンやオートジャイロに給電するには必須だからな。大切なインフラなんだ。

基幹ドローンはどうしても無線給電機の設置が間に合わない地域をカバーする形になるし。

移動電源も順次建造してるものの、そちらもやっぱり捜索及び調査範囲を広げるためのインフラとしての運用に注力したいから、現状でこれといって問題のない従来のインフラについての更新はどうしても後回しになる。