未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

彗編 子殺し、親殺し

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ただ、ここは、<子殺し><親殺し>が当たり前の世界ではあるものの、実際にはそれは<憎しみ>とかが原因で起こることは少ないだろう。あくまで目的のほとんどは『生きるため』であって、強烈に合理的な理由でしかない。

『得体のしれない怪物として生まれた子供を育てない。もしくは殺す』

のも、

『自分の縄張りを確保するために、年老いて弱った親を殺して奪う』

のも、結局はそういうことだろう? 地球人のように、

『子供が邪魔だから』

『親の仕打ちに憤って。恨みに思って』

なんてのは基本的にほとんどないだろうさ。だから、そこに、

<善悪>

は存在しない。<邪魔としか思えない子供>とかも<悪辣な親への復讐>とかもまず存在しない。実にシンプルだ。

確かに一部の野生動物でも自分がされたことをいつまでも覚えていて<仕返し>をしようとするものもいるだろうが、それも、

『どこまでも追いかけていって復讐を果たす』

みたいな形じゃないんじゃないか?

『たまたま<以前に嫌なことをしてきた奴>を見付けたことで、仕返ししようとした』

形でしかない場合がほとんどじゃないか? 地球人の<復讐劇>とはかなり意味合いが違うものだと思うけどな。

だからとにかく、地球人のそれほどはドロドロしてないんだよ。ここで野生の生き物達の生き様を見てきた俺自身の実感だ。

しんが、生きて生まれてこれなかったれんを食ってしまったのも、決して地球人が事件を起こした時のような<猟奇的>な意味合いはない。後産で出てきた胎盤を食うのと同じような感覚で食っただけだと思う。

その一方で、しょうが、生まれてすぐに亡くなった楼羅ろうらの死を理解できずにその遺体をしばらく手放そうとしなかったのも、あれはただ地球人のような形で<死>というものを認識できていなかったことで、楼羅ろうらがすでに死んでいると理解できなかったってだけだろうしな。

血の繋がった親族であるせいこうの子供?とが命がけの戦いになったのも、あくまで単なる<生存競争>でしかなく、そこに悪意はなかった。

まあ、地球人のメンタリティを持つ俺にとってはなかなか割り切れない部分も多いのも事実ではありつつ、やっぱり基本的にはドライであり合理的であり、ある意味では即物的でもあって、面倒くさくないんだよな。

つがう番わないも、本質は互いの合意の上だし。相手が受け入れてくれないと、多くの場合で諦めるし、地球人のようにストーカーになるようなのも少ない。

あ、でも、めいに付きまとったさくだったり、清良せいらに強引に迫ろうとしたアクシーズの雄だったりみたいなのも、たまにはいるのか。

それでも地球人社会でのに比べれば圧倒的に少ない印象だな。

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