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第四世代

彗編 一人で気楽に生きていたい

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新暦〇〇三七年七月七日



一方、巣立って縄張りを得、スフィアと共に暮らし始めたファルケの様子はと言うと、こちらはこちらで巣を完成させて二人寄り添うようにしていた。さすがに生殖を行うにはまだ早いからか睦み合うような様子はないものの、仲は良いようだ。

なにしろ、二人は巣立つ前から結構、仲良くしてたしな。すいしょうの縄張りの境界付近で遊んでいる二人の姿がたびたび目撃されている。同時に、しっかりとトカゲやリスに似た小動物を自分で捕えたりして、一緒に狩りの練習もしていた。

もしかすると清良せいらはそれを分かってて、早めにファルケの巣立ちを促した可能性もあるな。自分で狩りもできて、しかもつがう相手も見付けられているならいつまでも自分の下に置いておく必要はないと判断したか。

それがどうかは俺には分からないにしても、少なくとも実際にファルケとスフィアは楽しそうにやっている。何度かせいとニアミスはあったものの衝突もなかった。このまま穏やかに生きていけてくれたらと思う。

野生に生きる以上はそれなりに厳しい面もあるだろうけどな。

でも今は、朝日が照らす巣の中で寄り添い合ってお互いに暖を取っている姿なんかを見てるとただただ微笑ましいよ。

で、我が子を自立させた清良せいらはと言うと、すいと何度も睦み合っていたようだ。もしかするとそれも狙いだったのかもしれない。ファルケがもう自力で狩りもできるようになったから早くすいとまた一緒になりたかったか。

すいの方は実はそこまで執着してる様子もないものの、求められれば拒むわけでもないので、彼女のことはちゃんと好きなんだと思う。彼女がファルケを育てている間、他の雌のところにもいかなかったし。

ああでもそれは、

『あまりそういうことに興味がないから』

というのもありそうだ。彼はとにかく淡白なんだよ。

『ただただ一人で気楽に生きていたい』

ってのが実は本音なのかもしれない。その中で、清良せいらについては『構ってもいいかな』程度に思っているのかもしれない。

地球人にはそう考えてるのも少なくない。惑星によっても結構な差異はあるにしても、二割とか三割とかが生涯未婚を貫いたりするとも聞く。

だが、健康寿命だけでも二百年という人生の中で、生涯を未婚で過ごすというのも大したものだと思わなくもないかな。俺も地球人社会で生きていた時には結婚なんてする気もなかったものの、ひそかじんふくようやシモーヌと出逢い、今や数えきれないくらいの子孫を残してるんだから、出逢い一つで変わってしまうのも事実だという実感はある。

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