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第四世代

彗編 果てしない作業

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新暦〇〇三七年六月三日



そうしてホビットサンク村での<ホビットMk-Ⅱ制御用の純朋群製AI(試作品)>のセットアップが行われてたわけだが、光莉ひかり号やコーネリアス号やエレクシア達に関わらせずに人力で行わないといけないというのはさすがにかなりの手間で、俺とシモーヌとひかりあかりとビアンカと久利生くりうとルコアとシオとレックスの力を合わせても遅々として進まなかった。

なにしろ全員、この手のことについては素人か素人に毛が生えた程度だからな。やはり専門家の力が欲しいところではある。あるが、いないんだから泣き言を口にしてても始まらない。地道にこなしていればいつかは終わる。それが終わってAIが稼働してくれればその力を借りることもできる。

「正直、何をやってんのかさっぱり分かんね」

あかりが苦笑いを浮かべつつも作業を行ってくれていた。

この作業は、全員で一度にやってるわけじゃなく、交代制でやってる状態だ。普段の生活もしなきゃいけないしな。特に子供の世話は欠かすわけにはいかない。構ってほしがったらその場で作業を中断してでも相手をする。

別に期日があるわけでもない作業だ。『いつか終わる』でやればいいそれを、子供より優先する必要はないさ。

あかり久利生くりうの子である蒼穹そらは一歳を過ぎて見た目は三歳になるかどうかくらいになっている。そして母親に似て大変にお転婆だ。

「ママーっ!!」

と叫びながらドーンと飛びついてくる。

「うぶおっ!?」

その勢いにあかりが声を上げてテーブルに突っ伏す。

「ごるあ! 無茶すんなわれえ!」

娘の無茶にそう反応するものの、その表情は本気で怒っているものじゃなかった。ただのレクリエーションだ。口調も、コーネリアス号のアーカイブにあったコンテンツを真似たものだな。

「きゃーっ♡」

母親に反応してもらえて、蒼穹そらは歓声を上げながら逃げる。そこに、

「交代しよう」

久利生くりうが声を掛けた。実はそれまで彼が蒼穹そらの相手をしてくれてたんだが、蒼穹そらの気持ちが母親に向かったことで交代のタイミングだと考えたわけだ。

「おう!」

あかりも笑顔で応えて、

「待たんか、わりゃーっ!」

言いながら蒼穹そらを追う。それがまた嬉しいらしくて、

「うきゃきゃきゃきゃきゃきゃ♡」

蒼穹そらはそんな笑い声をあげながら逃げた。ビアンカの娘の黎明れいあと一緒に。

で、どちらもすっぽんぽんである。黎明れいあは二歳半を過ぎてもう六歳くらいの見た目になっているが、まだ服は着たくないようだ。

幼女が二人してすっぽんぽんで走り回っているものの、それを邪な目で見る人間はここにはまだいない。

ちなみに四歳を過ぎてもう十歳くらいの外見になってる未来みらいも、まだ服はほとんど着てくれない。

まあ彼の場合はしょっちゅう水に入ってるからというのもあるんだろうが。

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