上 下
1,837 / 2,387
第四世代

光編 パパニアンとしての生き方講座

しおりを挟む
以前にも触れたが、萌花ほのかにはまだ少し早いだろうということで、じゅんによる、

<パパニアンとしての生き方講座>

については、彼女が遊び疲れて眠っている間に出掛けることにしている。

ほまれの時は、より野生に近かったことで俺では残念ながら制御も難しかったものの、じゅんはほぼ成体おとなになるまで<野生のパパニアン>として生きてきたこともあって、今なお、まどかひなただけでなく、肉体的には純粋なパパニアンであるうららをも凌ぐ、

<密林において活動を行うスキル>

を維持している。確かに憶病なところはありつつ、それ自体は野生で生きるにはむしろ必要な能力のはずなんだ。<無謀な恐れ知らず>は生き延びられない。そういう部分があったほまれは実際に、命の危険まであるような状況を自ら招いてしまった。エレクシアとメイフェアのおかげで助かっただけだ。

もちろんその辺りの<幸運>も生きるには重要なものだとしても、

『自ら危険を招かない』

のも大事な要素のはずなんだよ。じゅんはそういう部分に秀でていると思うんだ。

とは言え、基礎的な体力はともかく、幼いが故の無鉄砲さがまだまだ強く出ている部分が多い萌花ほのかを連れて行くのは、いささかリスクが高いだろう。彼女が無茶をすることで『全員が危険に曝される』なんてことも十分に想定される。

だから萌花ほのかを連れて行くのは、もう少し後にした方がいいと俺も思ってるんだ。

まあ、いざとなればエレクシアもイレーネもいるけどな。樹上も行動範囲であるパパニアンを警護するにはドーベルマンDK-aじゃ荷が勝ちすぎているにしても、メイトギアであるエレクシアやイレーネなら全く問題ない。それぞれ、義手や義足の性能も向上してて、オリジナルの状態に比べればスペックダウンは否めなくても、それでも十分すぎる性能は持ってる。エレクシアはもとより、今ならイレーネでもみずち相手であろうと苦戦はしないだろう。

だから大丈夫だとは思う。

思うが、まあ、念のためだ。それに集落内で遊んでいるだけでもそれなりに痛い思いもしてるしな。そうやって経験を積んで段階を踏んで徐々に世界を広げていってくれればいいさ。

そしてひかりも、そういう形で子供達の成長を見守ってる。じゅんのことも、子供達の父親として信頼してくれている。その信頼にじゅんも応えて、子供達をいつも無事に連れ帰ってくれている。

もちろん基本的に、めいの縄張りを受け継いだりくや、アクシーズのしょうや、しょうの弟のすい達の縄張りがある種の防壁になって、めったな外敵は入ってこないというのはありつつも。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

精霊のお仕事

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:123

転移したらダンジョンの下層だった

Gai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,223pt お気に入り:4,655

悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:12,112pt お気に入り:6,021

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,144pt お気に入り:281

追放の破戒僧は女難から逃げられない

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:611pt お気に入り:167

冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,464pt お気に入り:9,008

異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:220pt お気に入り:2,452

処理中です...