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第四世代

光編 私ももう人間なんだ

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どこから来たのかイタチ竜イタチが突然現れ、

「!!」

ヒト蛇ラミアがそれを視界に捉えた瞬間、それこそ俺の目では捉えられない速度で手を伸ばして捕まえ、口に放り込んでしまった。よっぽど腹が減ってたんだろうな。

が、その瞬間、

「よし……!」

ひかりが小さく声を上げる。

「え……?」

その理由がピンと来なくて俺が呆気にとられていると、

ヒト蛇ラミアの貪欲さならもしかしたらと思ったけど、まさかこんなに上手くいくとはね」

『してやったり』的にニヤリと笑みを浮かべたひかりの表情を見て俺もハッとなった。

「まさか、あのイタチ竜イタチにアンプルを仕込んだのか?」

問い掛けると、彼女は、

「うん。ルイーゼに聞こえて万が一ヒト蛇ラミアに伝わったらと考えて、アンデルセンだけにテキストメッセージで指示を送ったんだ」

と。

ははは! これはやられたな。確かにその通りだ。今回は思い付かなかったが、もし思い付いてたら俺でもそうする。

これでアンプルを一本残して、ヒト蛇ラミアに麻酔薬を投与することに成功した。ただ、経口投与なので効果が出るにはそれなりに時間がかかるだろう。だから後は、麻酔が効き始めるまでなんとかこの場に押しとどめるだけだ。

なのに、ヒト蛇ラミアも何かを察したのか、

「グアアアッッ!!」

狂おし気に自分の頭をガリガリと掻いて、改めて斗真とうまとルイーゼを乗せたローバーの位置に視線を向けた。

もうかなりアリゼドラゼ村から離れた状態で正確にローバーの方向を見たから、もはや確信に近いそれで、

『やっぱりルイーゼの存在を感じ取っているのか……?』

と思ってしまう。偶然にしては出来過ぎてる。しかし、決定的な確証はない。ないものの、やはりその可能性を無視するには状況証拠が揃い過ぎてるのも事実か。

ひかりも言う。

夷嶽いがく牙斬がざんがそこまでじゃなかったから、正直、忘れかけてたけど、やっぱり改めて頭に入れておかないといけないね……」

険しい表情に、彼女の覚悟を見た思いだ。必要とあれば犠牲を厭わない覚悟をな。

頼もしいと同時に痛みも感じてしまい、

「極力、守る方向で努力はしたいけどな……」

と俺も告げた。それが、ビアンカや久利生くりうやシオやレックスの望みでもある。

「うん、分かってる。安易な犠牲は私も望んでない。私ももう人間なんだ。それを忘れたくない」

自分の腕の中ですやすやと眠る萌花ほのかを慈愛に満ちた目で見つめながら言ってくれた。

そんな彼女がとても大きく見える。外敵には苛烈な対処も取りつつ、自分と同じ人間には我が子に向けるそれと同じ慈愛も向けてくれると実感するよ。

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