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第四世代

光編 チャンス

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麻酔薬のアンプルをヒト蛇ラミアの口に放り込もうとしたアンデルセンだったが、

「ガッッ!?」

さすがにこれはヒト蛇ラミアも素直に口にはしてくれなかった。頭を振ってアンプルを弾く。その際、容器が割れて麻酔薬が飛び散った。これであと残り四本。

しかも、アンプルを掴んでいたアンデルセンの精密作業用マニピュレータも破壊される。

だが、それは大した問題じゃない。修理すればいいだけだ。痛みも感じないアンデルセンは怯むことなくもう一方の精密作業用マニピュレータで次のアンプルを掴んで準備する。

しかしヒト蛇ラミアが狂ったように頭を振って抵抗。頭に掴まっていた高仁こうじんも振り落とす。

だからさらに拘束を強めるために、ホビットMk-Ⅱを強くしがみつかせる。もちろんヒト蛇ラミアもおとなしくはしておらず、全力で暴れる。

が、ここまでノンストップで暴れ続けたからか、さすがに衰えを感じるな。疲れが出たか? いや、餌を食ってないからエネルギー切れか?

それがどちらにせよ、これはチャンスかもしれない。

ドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱが連携し、力を合わせてヒト蛇ラミアを引きずり倒す。尻尾を振り回して抵抗するのを、尻尾も押さえて封じる。

高仁こうじんが頭を押さえ、桜華おうか鈴夏すずかが<対怪物用打撃銃>を機体の武器用ラッチに戻して重作業用マニピュレータでヒト蛇ラミアの口を強引に開かせる。

そこに再び、アンデルセンがアンプルを食わせようとするものの、これもヒト蛇ラミアの必死の抵抗にあって失敗に終わる。

あと三本。

なので、<総排出口>、つまり<肛門(も兼ねた穴)>からアンプルを押し込もうと、アンプルを渡されたドーベルマンMPMが挑むが、これまた危険を察知したのかヒト蛇ラミアが身をよじったことで途中で割れてしまって失敗。

あと二本。

それでもヒト蛇ラミアの疲労は明らかだから、このまま押さえ付けて動けなくなってから投与すればいいかもしれない。

だがその時、

「ゴオオアアアアアーッッ!!」

ヒト蛇ラミアが渾身の力を振り絞って暴れ、桜華おうか鈴夏すずか高仁こうじんもアンデルセンもドーベルマンMPMもホビットMk-Ⅱも振り払われる。

「ゴハッ! ゴハッッ!!」

荒い息をしつつもヒト蛇ラミアは立ち上がった。

桜華おうか達も態勢を立て直すためにいったん離れる。

が、そこに、地面を奔り抜ける影。どこから紛れ込んだのか獣が一匹ヒト蛇ラミアの前を横切ろうとしたんだ。

イタチ竜イタチだ。

…? イタチ竜イタチ……? いや、イタチ竜イタチは草原を主な生息地にしてる獣だ。この辺りもかろうじて草は生えているが、イタチ竜イタチの餌となる土竜モグラや昆虫が生息するにはいささか厳しすぎるからか、いなかったはずだが……?

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