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第四世代

光編 作戦予定時間

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ドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱに囲まれ集中攻撃を受けるヒト蛇ラミアは、それこそ憤怒の表情で大立ち回りを演じていた。手近にある石を片っ端から拾っては投げ付けてくる。

命中すれば大きなダメージはあるものの、当然、ロボットなので『恐怖から体が硬直して動かなくなる』などということもなく、しかも、すべての機体が連携して連動してそれぞれのセンサーで捉えた情報を基に瞬時に状況判断。たとえ他の機体が邪魔になって見えていなくても察知できて、きちんと躱す。人間にはできない動き。

それがまたヒト蛇ラミアには腹立たしいようだ。

が、こっちとしてはそれこそが狙いだな。ドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱに対してムキになってくれてその場にとどまってくれれば目的は果たせるんだ。

「あとどれくらい掛かる?」

ひかりが問い掛けると、レックスが、

「そうだね。十分は掛からないと思う。五分から八分くらいと見た」

麻酔薬の成分の精製状況から答えてくれる。

「分かった。輸送時間も含めて四十分程度か」

そう判断して、

「作戦予定時間をあと四十五分とする!」

告げた。

人間の場合はこの状態を四十五分続けるというのはなかなかつらいだろうが、疲れを知らないロボットにとっては、時間は問題じゃない。単純に想定外の事態が生じなければ一時間でも二時間でも続けられる。

むしろヒト蛇ラミアの方が疲れて動けなくなってくれれば御の字って感じだな。

が、そういう点でも<怪物>ということか、それとも怒りで疲れを感じなくなっているのか、ヒト蛇ラミア自身も衰えることなく暴れ続ける。

その間にも、

「よし、完成だ。予備も含めてまずは五つ、そちらに届ける」

レックスが告げると同時に、ドーベルマンMPMがアンプルの入ったケースを手にコーネリアス号を出て、外に待機していたローバーに乗り込み、<空港>へと向かう。

空港では厳重なチェックを終えたアリアンが、万全の状態で発進準備を整えていた。そこには、すでに鈴夏すずかとアンデルセンも待機している。通信でドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱを制御しているから、場所は関係ないんだ。

こうしてアンプルの入ったケースを受け取り、直ちに発進。約三十分で現場に到着する予定だった。

だがその時、

「ゴアアアアアーッッ!!」

さすがに痺れを切らしたらしいヒト蛇ラミアが、ドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱ目掛けて突っ込んできた。それを反対側のドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱが牽制して気を引こうとするが、まったく構うことなく。

しかもヒト蛇ラミアが突進したのは、アリニドラニ村がある方向。

「突撃するつもり?」

ひかりが険しい表情で声を上げた。

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