未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

光編 豪勢な食事

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そうして、<斗真とうまとアリニとドラニの家>で食事会が行われた。

斗真とうま自身はあまり<豪勢な食事>というものに関心を示さないので、アリニやドラニや斗真とうま自身が捕らえた、ネズミによく似た小型の獣を簡単に調理したものを食べていたりしたものの、さすがに今回はルイーゼを招いてのそれだから、ローバーに備蓄されていた食材を用いて、アリニと桜華おうかが腕を振るい、それなりの料理にしてみせた。

まあ、地球人社会でのに比べればやっぱり質素な印象だけどな。

でも、

「俺、こんなの初めてだ……」

斗真とうまがそれこそ戸惑った様子で口にした。しかし、<調理されたもの>を食べることには慣れていたわけで、躊躇いがちでも<ローストビーフ>風の肉を口にすると、

「ん……!」

ハッとなってガツガツと貪るように食べ始めた。どうやら気に入ってくれたようだ。となればこれからはこの感じのレパートリーを増やしてもいいだろうな。

一方、ルイーゼの方は元々は地球人だから、それこそ慣れたものだ。ただ、彼女も、基本的に食事にはあまり関心がないタイプというのもあって、今回のような質素な料理でも、気にしない。

それどころか、斗真とうまがガツガツと美味そうに料理を平らげていく様子をくすぐったそうな表情で見ていた。

いやはや、まさか彼女がこんな表情をするとは、今までの感じからは思いもよらなかった。

もちろんそれは、相手が彼女にとって『美しい』『魅力的な』鋼を鍛え上げる職人である斗真とうまだからというのが大前提なんだろうけどな。

正直、地球人社会では斗真とうまのような<生粋の職人>というのにお目にかかる機会はもうあまりないだろう。いないわけじゃないにしても、<職業人>としてと言うよりは、

<伝統工芸・伝統技術の継承者>

的なニュアンスの職人がほとんどだそうだし。正直、鍛冶仕事もその多くが機械化されて、ロボットが最高の効率で作業を行っている。<職人の仕事>というものに触れる機会も少なくなったはずだ。

ロボットによるそれはそれで高品質なものを作り出すものの、人間の感性に訴える<美しさ>というものは、実は<ただただ完璧なもの>とは限らないとも聞く。

同時に、<人を好きになる気持ち>というヤツも、なかなか理屈では説明しきれないんだよなあ。俺自身、<人>というわけじゃないが、ひそかじんふくようのことも今でも愛しているし、何より、メイトギアであるエレクシアのことを確かに愛してる。その上で、シモーヌのことも愛してる。これは理屈じゃないんだ。

『愛してるから愛してる』

って感じなんだよ。

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