未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

光編 師匠と弟子ごっこ

新暦〇〇三七年三月十五日



「……」

ルイーゼが自分の作業をうっとりとした様子で見つめていることを最初は気にしていた斗真とうまだったが、すぐに意識の外に追いやって作業に集中できるようになった。元々彼にとっては＜鍛冶の仕事＞以外に興味のあることがなく、見慣れない人間が現れても自分の邪魔をするのでなければどうでもいいと思っているようだし。

ドラニも、

「このくらいで集中が乱されているようじゃ、まだまだだな」

などと、

＜厳しい師匠＞

的なムーブを見せてくれていた。これは、光莉ひかり号、コーネリアス号、エレクシア、セシリア、メイフェア、イレーネ、アリアン、鈴夏すずからが蓄積してきた、

＜人間に関する情報＞

の中から、

＜生真面目な若者と指導役＞

という事例についてデータを抽出した上で構築した＜ロールプレイング＞とでも言うものだ。要するに＜ごっこ遊び＞だな。

＜師匠と弟子ごっこ＞

だ。

ドラニだって別にこれまで本当に鍛冶職人として後進の育成をしてきたわけじゃないし。しかし同時に、ホビットMk-Ⅱで行っている＜育児ごっこ＞もそうだが、
決してホントの遊びじゃないことも事実。

＜超真剣なごっこ遊び＞

でもある。実際の斗真とうまの反応をしっかりと確認しつつ彼にとって望ましい＜師＞あることを常に目指しつつ行ってるんだ。ドラニも絶賛成長中なんだよ。

だから、人間（地球人）のように驕ったりも思い上がったりもしない。経験値自体は斗真とうまとほとんど同じなんだ。AIが蓄積してきた＜知識＞があるだけでしかない。その知識を基にした＜師としての在り方＞についてはまだまだ未熟なものなわけで。

人間のようにおっかなびっくりみたいな感じじゃないというだけでしかない。

だが、ここまでのところはほぼ満点だろう。なにぶん、相手は斗真とうまだけだ。だから解析する情報も一人分で済んでる。ひたすら斗真とうまだけに特化しておけばいいんだからな。

それもあって、ドラニの師匠っぷりも堂に入ったものだ。

そして斗真とうまも、そんなドラニに対して全幅の信頼を寄せている。

人間の場合はどうしても裏表があるから、普段は見せない＜ダメな部分＞が何かの拍子で表に出てしまってそれが基で信頼関係が壊れてしまったりということもあったりするが、ロボットであるドラニにはそれがない。

だいたい、

＜この世に現れてからの時間＞

で言うとむしろ斗真とうまの方が長いからな？　アリニドラニ村に来るまでの間に子供として育ってきた期間を含めれば。ロボットだから作られた瞬間に求められる機能のほとんどが備わっているというだけで。