未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
1,800 / 2,643
第四世代

光編 駄々という形で喚き散らすという手法

しおりを挟む
新暦〇〇三七年三月十日



幼い子供がなぜ<駄々>をこねるのか、考えたことはあるか?

『幼児は駄々をこねるものだ!』

と思ってるかもしれないが、それは正しくない。もちろん<我儘>は口にしたりするさ。自分の感情を優先しようとはするさ。だが、

<駄々という形で喚き散らすという手法>

ってのは、あくまで<学習>によって身に付けるものであることが判明してる。その手本になるものを目の当たりにしてきたことで、参考にしてるんだ。

なにしろ大人は、大きな声を上げて相手を自分の思い通りに操ろうとするからなあ。特に子供相手にはよくやるだろう? それだけじゃない。父親が母親に対して、母親が父親に対して、子供の前で大きな声を上げて言うことを聞かせようとしたりする。

そんな様子を子供は学び取ってしまうそうだ。

<大きな声を張り上げて相手に言うことを聞かせようとする手法>

をな。

エレクシアからその話を聞いた時、俺は実感しかなかったよ。何しろひかりあかりも、『駄々をこねる』というのがほとんどなかった。自分の思ってる通りに行かないと拗ねた様子を見せることはあったものの、

『大声で喚き散らして相手を従わせようとする』

ということはほとんどなかったんだ。それは結局、俺があまりそういうことをしなかったからだと思う。

もちろん、つい声を荒げてしまうことは何度もあった。特に、ほまれそうかいに対してはな。

ただそれは、そうやって言うことを聞かせようとしていたというよりは、まあ本当に『つい』というだけで、元々、服従を求めていたわけじゃないんだ。期待していたわけじゃないんだ。

加えて、あくまで<ポーズ>として<ツッコミ>として頭の中は冷静な状態で、

『大きな声を出しているふりをする』

だけじゃなく、本気でつい『声を荒げてしまった』時には、

「ごめん」

と詫びるようにしていたしな。そう、

『感情的に声を荒げるという振る舞いは、後に謝罪が必要になる好ましからざる行いだ』

ってのを示すようにしていたというのもある。だからそれを<正当なもの>としての認識が俺の子供達にはないんだよ。

だから我儘を口にする時だって<お願い>って感じで、とにかく大声を張り上げて自分の要求を聞き入れさせようとする形じゃなかった。

しかも俺は、頭ごなしに否定もしなかったしな。聞き入れられるものは聞き入れるし、聞き入れられないものについては納得してもらえるまで丁寧に説明するようにしてた。

その手間を惜しんで大きな声を張り上げて相手を従わせようとするから、そんな手っ取り早い手法を子供だって取り入れてしまうんだろうさ。

『そうした方が楽』

なんだろ?

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

学園長からのお話です

ラララキヲ
ファンタジー
 学園長の声が学園に響く。 『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』  昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。  学園長の話はまだまだ続く…… ◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない) ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります

京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。 なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。 今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。 しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。 今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。 とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?

四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。 もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。  ◆ 十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。 彼女が向かったのは神社。 その鳥居をくぐると――?

処理中です...