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第四世代
光編 計画を練っている段階
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新暦〇〇三七年二月二十五日
その日、光はルイーゼに報せた。
「あなた達の進路上に<ヒト蛇>がいる。こちらで対処するから、しばらく待機していてほしい」
そうだ。以前、ルイーゼと共に現れて機動部隊に追い払われた<ヒト蛇>が、ルイーゼ達が予定していた進路上に現れたんだ。
実はあの後、捜索隊を出して探し、粘着タイプのマイクロチップを取り付けることに成功。行動を追っていたんだよ。
これも光が対処してくれてたことだ。俺はただその報告を受けただけに過ぎない。
いずれ捕らえて台地の麓に移送しようとも考えていたが、ヒト蛇は嶽や夷嶽よりもさらに急激に成長しているから、麻酔薬の調整が難しいんだ。足りなければ動きを抑えることはできないだろうし、かと言って過剰に投与して死なせてしまってはマズい。
あと、蛮と戦って敗れたヒト蛇のように、
『何か他の動物と戦って命を落とすのならより強力な怪物にはならないのにな』
という打算もないと言ったら嘘になる。特に光の場合は、俺が地球人としてのメンタリティを残しているのと違い、あくまでここ朋群の生き物としてのメンタリティの上に、地球人である俺やシモーヌの価値観や感性から学び取ったものが薄く乗っているだけだから、実は冷酷で冷淡な部分も多いんだ。
さりとて、その<薄く乗っているだけの部分>が、実は人間として生きていくには重要なんだよ。人間の理性なんてものはそもそも本当に表層の部分だけでしかなく、しかし同時に、そのわずかな部分こそがいわゆる<人間性>というものを形成していることも分かっている。それがなければ人間もあくまで<獣>なんだってことだ。
と、話が逸れたが、<ヒト蛇に勝てる動物>というのは、正直、この台地の上にはまずいないだろう。それこそ、蛮でようやく勝てたくらいだ。蛮とは別の、それでいてなかなか強そうだったはずのヒト蜘蛛は、事実、ヒト蛇に負けている。
そんなわけで、現状では何とか穏当に捕獲して麓に移送するための計画を練っている段階だった。
この台地の麓はそれこそ鵺竜の生息地であり、ヒト蛇さえ凌ぐような強大な生物が闊歩する地だ。それらにヒト蛇の始末をさせようとするのに等しい選択ではあるものの、これも<生存競争>だからな。綺麗事だけではやってられないんだよ。
また、麓に移送した夷嶽は、今も元気にやっている。だからヒト蛇もひょっとしたらそうやって適応して生きていってくれるかもしれない。
加えて、麓には、ヒト蛇の基になったかもしれない<巨大なヘビに似た動物>が生息してるのも確認されているしな。
その日、光はルイーゼに報せた。
「あなた達の進路上に<ヒト蛇>がいる。こちらで対処するから、しばらく待機していてほしい」
そうだ。以前、ルイーゼと共に現れて機動部隊に追い払われた<ヒト蛇>が、ルイーゼ達が予定していた進路上に現れたんだ。
実はあの後、捜索隊を出して探し、粘着タイプのマイクロチップを取り付けることに成功。行動を追っていたんだよ。
これも光が対処してくれてたことだ。俺はただその報告を受けただけに過ぎない。
いずれ捕らえて台地の麓に移送しようとも考えていたが、ヒト蛇は嶽や夷嶽よりもさらに急激に成長しているから、麻酔薬の調整が難しいんだ。足りなければ動きを抑えることはできないだろうし、かと言って過剰に投与して死なせてしまってはマズい。
あと、蛮と戦って敗れたヒト蛇のように、
『何か他の動物と戦って命を落とすのならより強力な怪物にはならないのにな』
という打算もないと言ったら嘘になる。特に光の場合は、俺が地球人としてのメンタリティを残しているのと違い、あくまでここ朋群の生き物としてのメンタリティの上に、地球人である俺やシモーヌの価値観や感性から学び取ったものが薄く乗っているだけだから、実は冷酷で冷淡な部分も多いんだ。
さりとて、その<薄く乗っているだけの部分>が、実は人間として生きていくには重要なんだよ。人間の理性なんてものはそもそも本当に表層の部分だけでしかなく、しかし同時に、そのわずかな部分こそがいわゆる<人間性>というものを形成していることも分かっている。それがなければ人間もあくまで<獣>なんだってことだ。
と、話が逸れたが、<ヒト蛇に勝てる動物>というのは、正直、この台地の上にはまずいないだろう。それこそ、蛮でようやく勝てたくらいだ。蛮とは別の、それでいてなかなか強そうだったはずのヒト蜘蛛は、事実、ヒト蛇に負けている。
そんなわけで、現状では何とか穏当に捕獲して麓に移送するための計画を練っている段階だった。
この台地の麓はそれこそ鵺竜の生息地であり、ヒト蛇さえ凌ぐような強大な生物が闊歩する地だ。それらにヒト蛇の始末をさせようとするのに等しい選択ではあるものの、これも<生存競争>だからな。綺麗事だけではやってられないんだよ。
また、麓に移送した夷嶽は、今も元気にやっている。だからヒト蛇もひょっとしたらそうやって適応して生きていってくれるかもしれない。
加えて、麓には、ヒト蛇の基になったかもしれない<巨大なヘビに似た動物>が生息してるのも確認されているしな。
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