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第四世代

光編 息の合った様子

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新暦〇〇三七年二月十五日



ルイーゼは、とにかくひたすら彼女専用のローバーで移動しつつ鉱物の調査を行っていた。ここまでのところ、<Hiシリコンの同位体>以外の新しい発見はなかったが、

「たぶん、この先に鉄鉱石の鉱脈がある」

「こちらには金鉱がある」

等々、情報をもたらしてくれた。実際、彼女の言うとおりにホビットMk-Ⅱを派遣して調査したところ、鉄鉱石の鉱脈が地表近くで発見できたんだ。これで鉄の生産量が飛躍的に増えるだろう。さらに金鉱も、埋蔵量そのものは知れているみたいだが発見され、貨幣などに使うにはややきびしいものの電子部品の材料としての需要には応えられそうになった。

まったく、俺達が、と言うかドーベルマンMPMやホビットMk-Ⅱらが地道に探してくれてやっと見付けられたものと同等以上の発見を次々と導いてくれるんだから、いやはやとんでもないな。

ただその一方で、せっかく発見できた素材を十全に活かすにはそっち方面の<技術者>が欲しいところだ。コーネリアス号の乗員には当然、優れた技術者がいたわけで、そういう者達の発見と救助を急ぎたいと思う。もちろん、それ以外の者達の救助にも全力を尽くすが。

しかしさすがにそう上手くはいかないようで、ルイーゼ以降はまだ発見されていない。いないが、まあこれも焦ったところで仕方ないし、見落としがないように努力するしかないか。



そんな中、ルイーゼはアリニドラニ村に近付いていた。と言うのも、移動中にHiシリコンの同位体の含有量が徐々に増えていることに気付いた彼女が、増えている方向に進路を取るとその先にアリニドラニ村があったんだ。

その移動には高仁こうじんが大活躍してくれた。元々、踏破性が高く水陸両用でもあるローバーではあるものの、当然、ローバー自体のAIの制御だけではその性能を完全には活かせなかったのを、高仁こうじんが補ってくれたんだよ。自動車のAIは自動運転を可能にはしてくれるものではありつつ、それはあくまで整備された道路で使ってこそのものであって、まったく<道>と呼べるようなものがない完全な不整地での状況判断には人間や人間に準じたロボットによる操縦が必要だった。

その役目も高仁こうじんは高いレベルでこなしてくれたんだ。まあ、移動電源を運転していたドーベルマンMPMにもできることは、ドライツェンである高仁こうじんなら余裕だとも言えるけどな。

でもそれ以上に、まるでずっと昔からチームだったかのように、ルイーゼと桜華おうか高仁こうじんは息の合った様子を見せていた。

これは、未来の朋群ほうむ人社会の人間とロボットの姿かもしれないな。

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