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第四世代

光編 勇気ある決断

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新暦〇〇三六年十二月二十四日



ルイーゼによりまさかの発見がなされ、<純・朋群ほうむ製AI>が十分に実用的なものになる可能性が出てきたことで、一気に朋群ほうむ人社会の絵図が具体的なものになった気がする。

もっとも、現状ではあくまで材料が手に入れられるのが分かっただけで、実際にAIそのものを作り上げるには越えなければいけないハードルがいくつもあるんだけどな。

アルゴリズムを組み上げることもその一つだ。最初のAIに用いるアルゴリズムついては、地球人社会製AIの手を借りず人間(朋群ほうむ人)だけの手で組み上げなくちゃいけない。そうしないと、地球人社会製AIに掛けられている制限を、ここ惑星朋群ほうむに適合したものに変更することができないからだ。それができれば、後はそのAIの助けを借りてブラッシュアップしていけばいい。

ただ、地球人社会でもそうだったように、AIにすべてのAIを作らせるのはリスクが高いから、ある程度のところまで仕上がった時点で、再び人間(朋群ほうむ人)の手で作る形に戻す必要があるだろう。その辺りの監視役として、光莉ひかり号やコーネリアス号のAIおよびエレクシアやメイフェアやイレーネやセシリアやアリアンや鈴夏すずからに役立ってもらわないといけない。朋群ほうむ製AIに対するカウンターだな。特に地球人と朋群ほうむ人双方をきちんと人間として認識できるように基準を詰めていく際のオブザーバーも務めてもらうことになるか。

この辺りは、唯一の地球人である俺が生きている間に済ませておきたいと思う。人間(地球人)としての判断が必要になる可能性もあるしな。

そしてルイーゼは、

「もっと他にも調べたい。許可はもらえるか?」

と言い出した。<Hiシリコンの同位体>を見付けたことで研究者魂に火が付いたらしい。するとひかりが、

「お父さん、ルイーゼが鉱物の研究の許可を求めてるけど、いいかな?」

錬慈れんじを膝に抱いてあやしていた俺に問い掛けてきた。これに対して俺は、

「ああ、ひかりが大丈夫だと思うなら任せる」

と応える。決して目立つものではなかったが、子育てをしつつだったが、彼女は俺の傍で俺の仕事を見つつサポートをずっと行ってくれてて俺が承知していることのほとんどは彼女も承知してくれているんだ。

だから、

「分かった」

端的に応えて、

桜華おうか高仁こうじんを同行させることを条件に許可する」

ルイーゼに伝えてくれた。

これに対してレックスが、

「ありがとう。私達にとっては信頼できる仲間だが、ひかり達にとってはあくまで部外者だ。勇気ある決断に感謝する」

タブレット越しではあるが丁寧に感謝してくれたそうだ。

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