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第四世代

光編 ルイーゼ・バーンシュタイン

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新暦〇〇三六年十二月六日



こうして保護され、コーネリアス号へと搬送されたルイーゼだったが、

「……」

とにかく冷淡な様子だった。『感情が欠落してる』とさえ言えるほどに。それでも、

「しかし優秀なのは間違いないよ。それに、コミュニケーション能力も十分だ」

レックスが言う通り、高い知性も感じるし、会話も成立している。ただ、

「私は私だから……」

自分が厳密には<ルイーゼ・バーンシュタインのコピー>であることについてもそうだし、体が透明になってしまっていることについても、まるで気にしている様子がない。それよりも、さっそく、惑星朋群ほうむで採取された鉱物の資料について読み込み始めていた。

「彼女も、自身の関心のあることを前にすると、本当に寝食を忘れるタイプだから、サポートのロボットが必須だった。でないと意識を失うまで集中していることもあったんだ」

レックスが説明する通り、治療カプセルで健康状態を確認するための準備をしている間でさえ資料から目を離さず、ある種の異様ささえ感じさせられた。これまでのコーネリアス号のメンバーの中でも群を抜いて個性的だな。

だから早速、桜華おうかを彼女のサポート役として就けることにする。シオとレックスには、今では鈴夏すずかとアンデルセンがいるし。

ちなみにレックスは、アンデルセンがお気に入りのようだ。どうも近いタイプのようで共感するものがあったらしい。

と、それはさておき、

「私がルイーゼ様のお世話を仰せつかりました桜華おうかです。よろしくお願いいたします」

挨拶する桜華おうかに、ルイーゼは、

「ん……」

やはり素っ気なく応えて、資料から目を離さなかった。そして治療カプセルの準備ができると、

「ルイーゼ様、準備ができました」

桜華おうかに促されるまで資料を手放すこともない。

そんなルイーゼに対しても、ひかりもまた冷静に対処する。苛々したりということもない。

「それではルイーゼ、検査が終了した後で、私も交えて諸々の情報交換をお願いします」

淡々と告げていた。

こうやって事務的に振る舞ってくれる方が話がスムーズに進むから助かるよ。これについてもレックス曰く、

「ルイーゼとしても、ひかりのようなタイプの方が接しやすいと思う。彼女は過剰なコミュニケーションを取ろうとするタイプは苦手だから」

とのことだった。レックスもテンションがフラットなタイプだから、コーネリアス号での生活においてもルイーゼにとってはありがたかったらしい。

いずれにせよ、新しい仲間が増えることについては歓迎するよ。

俺の挨拶の方は錬慈れんじがぐずったこともあって少し後になってしまったけどな。

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