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第四世代
光編 対怪物用打撃銃
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<対怪物用打撃銃>を改めて説明すると、読んで字のごとく、
<例の不定形生物由来の、タングステン並みの鱗を持つ大型の怪物>
に対処するために新たに作った専用の非殺傷銃である。電磁加速質量砲や対物ライフルでなら有効だとは推定されているものの、それだと逆に死なせてしまう可能性があり、加えて電磁波を探知できる嶽や夷嶽には電磁加速質量砲発射のタイミングを完璧に読み取られてしまうことで躱されるため、至近距離からとにかく『ぶん殴る』ために用意したものだ。
だから有効射程距離は五十メートル程度しかないものの、その威力自体は<エレクシア達要人警護仕様のメイトギアの掌打>並を確保。これにより怪物を怯ませる程度のことはできるはずだった。そして今回、実際にヒト蛇相手に怯ませて戦略的撤退を選択させることができたわけで、それなりに効果があることは確認された。
ただしその代わり、<反動>は酷く、生身の人間(地球人)ではおよそ使えるようなものではない上、ホビットMk-Ⅱの剛性・強度では、何発も使うと関節が歪んでしまうという代物でもある。光や灯、ビアンカの身体能力であれば数発程度なら撃てるとは予測されているものの、基本的には、
<使用後はメンテナンス必須でロボットにて運用するもの>
という感じだな。
でまあ、それはさておき、今回救助された、
<ルイーゼ・バーンシュタイン>
だが、彼女はチーム・コーネリアスで、鉱物資源の解析を担当していた人物だそうだ。実の母親が、以前にも少し触れた<ヒューマン・サファリパーク>の出身者という異色の経歴を持つ人物でもある。実の祖父母がホームレスで、その間に生まれた娘に特異な才能が見られたことから著名な数学者の養子となり、数学者としてやはり著名な存在となり、結婚、生まれたのがルイーゼなのだという。
そのルイーゼ自身は数学の才能は引き継がなかったらしいが、鉱物に強い興味を持ち、鉱物学者の道に進んだとのこと。それを基に惑星探査チームの一員として採用されてコーネリアス号に乗り込み、シモーヌやビアンカや久利生やメイガスやシオやレックスと運命を共にしたわけだな。
で、そんな彼女も、
「なるほど……状況はおおむね理解した……」
酷く冷淡な様子でそう応えた。それが元々の彼女の気性らしい。ある意味では、
『人間性を欠いている』
とさえ見られるくらいに感情に乏しく、たまにメイトギアに間違われることもあったそうだ。
だからか、ヘリでコーネリアス号に搬送されるまでの間には、不定形生物の中と思われる世界での記憶さえ取り戻してしまっていたのだった。
<例の不定形生物由来の、タングステン並みの鱗を持つ大型の怪物>
に対処するために新たに作った専用の非殺傷銃である。電磁加速質量砲や対物ライフルでなら有効だとは推定されているものの、それだと逆に死なせてしまう可能性があり、加えて電磁波を探知できる嶽や夷嶽には電磁加速質量砲発射のタイミングを完璧に読み取られてしまうことで躱されるため、至近距離からとにかく『ぶん殴る』ために用意したものだ。
だから有効射程距離は五十メートル程度しかないものの、その威力自体は<エレクシア達要人警護仕様のメイトギアの掌打>並を確保。これにより怪物を怯ませる程度のことはできるはずだった。そして今回、実際にヒト蛇相手に怯ませて戦略的撤退を選択させることができたわけで、それなりに効果があることは確認された。
ただしその代わり、<反動>は酷く、生身の人間(地球人)ではおよそ使えるようなものではない上、ホビットMk-Ⅱの剛性・強度では、何発も使うと関節が歪んでしまうという代物でもある。光や灯、ビアンカの身体能力であれば数発程度なら撃てるとは予測されているものの、基本的には、
<使用後はメンテナンス必須でロボットにて運用するもの>
という感じだな。
でまあ、それはさておき、今回救助された、
<ルイーゼ・バーンシュタイン>
だが、彼女はチーム・コーネリアスで、鉱物資源の解析を担当していた人物だそうだ。実の母親が、以前にも少し触れた<ヒューマン・サファリパーク>の出身者という異色の経歴を持つ人物でもある。実の祖父母がホームレスで、その間に生まれた娘に特異な才能が見られたことから著名な数学者の養子となり、数学者としてやはり著名な存在となり、結婚、生まれたのがルイーゼなのだという。
そのルイーゼ自身は数学の才能は引き継がなかったらしいが、鉱物に強い興味を持ち、鉱物学者の道に進んだとのこと。それを基に惑星探査チームの一員として採用されてコーネリアス号に乗り込み、シモーヌやビアンカや久利生やメイガスやシオやレックスと運命を共にしたわけだな。
で、そんな彼女も、
「なるほど……状況はおおむね理解した……」
酷く冷淡な様子でそう応えた。それが元々の彼女の気性らしい。ある意味では、
『人間性を欠いている』
とさえ見られるくらいに感情に乏しく、たまにメイトギアに間違われることもあったそうだ。
だからか、ヘリでコーネリアス号に搬送されるまでの間には、不定形生物の中と思われる世界での記憶さえ取り戻してしまっていたのだった。
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