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第四世代

光編 また誰か

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新暦〇〇三六年十二月五日



こうして俺が錬慈れんじの育児に悪戦苦闘している間にも、ひかりは、萌花ほのかの育児と、まどかひなたうららの育児にも精を出しつつ、俺の代わりに集落の管理監督を行ってくれている。そんな姿が実に頼もしい。

もちろん、エレクシアやセシリアやイレーネのサポートもあってのことだが。

そんな中、哨戒任務を行っていたドーベルマンMPMを隊長機としたホビットMk-Ⅱの部隊が、異変を伝えてきた。

コーネリアス号の北七十キロを流れる河で落雷があり、例の不定形生物がそれに巻き込まれたらしいんだ。

「警戒を厳にせよ」

俺の代わりにひかりがタブレットを通じてロボット達に指示を出してくれる。俺の権限が必要な命令については俺が出すしかないが、この程度の指示であればひかりでも代わりに出せるからな。

それを受けてドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱらは雨の中で荷車からボートを下して現場に向かい、警戒する。

と、

「人影を確認」

ドーベルマンMPMの通信をタブレットが音声で読み上げる。

「お父さん。また誰か顕現したかもしれない」

ひかりに言われて、

「人命救助!」

俺が命令を出す。半ば寝惚けた状態だったものの、ほとんど機械的なそれだったものの、俺がしなきゃいけないことはしなきゃいけないしな。

それを受けて、ドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱらはボートを奔らせ急行。そこには確かに、水面から頭を出した透明な人影が。しかも、確かに<人間>だ。

『シオやレックスに続いてこの短期間に?』

とは思うものの、ロボットによる捜索隊はすでに二十チーム以上編成されて、毎日哨戒活動を行ってくれている。<目>が届く範囲がこれまでとは桁違いになっているから、当然、遭遇の確率も上がるということだ。

だが今回は、明らかに人間と思しきそれと同時に、また別の影が。

「こいつは……!?」

ひかりの緊張した声に、俺もさすがにハッとなる。

改めてタブレットを手にして画面を確認すると、そこには、水面から二メートル以上の高さにまで立ち上がった<人影>が。

いや、<人間>にはそんな真似はできない。そしてその影の胴から下は、確かに水中に没してる。

ヒト蛇ラミアか!」

みずちの姿が頭をよぎり、ピンときた。そうだ。ヒト蛇ラミアだ。しかも、透明な。

<人間>とは別に、ヒト蛇ラミアが顕現したんだ。

そこに、ドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱらが駆け付ける。

「!?」

するとヒト蛇ラミアは、躊躇なくドーベルマンMPMらに襲い掛かってきた。

くそっ! こいつも、<人間>と<人間の気配を匂わせるもの>に攻撃を仕掛けてくるタイプか!?

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