未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

光編 大きな子供を育てる手間

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さらにダミアンは、

<自分のことも自分でできない父親>

という設定で動いている。すると、ダミアンが仕事から帰ってきた途端にシーナのストレスを表す値が跳ね上がった。しかし、それを圧し殺して、<父親の世話>をする。<子供の世話>に加えてのそれに、ストレス値は上がりっぱなしだ。

ここでせめてダミアンが自分のことくらいは自分でしてくれればまだしも、

『付き合いで酒を飲んで帰ってきた』

状態を再現したダミアンが、

「水…!」

と、水を要求する。これにもストレス値が跳ね上がる。

『自分が飲む水くらい自分で用意すればいいのに』

そういう思考が再現されたようだ。

ダミアンの側は、

『自分は外で仕事をしてきたんだから』

的な考えで動いているわけだが、シーナに赤ん坊の世話の一切を押し付けることを<役割分担>と称するなら、ダミアンはそれこそ『自分のことは自分でする』べきだろう。シーナは、赤ん坊のことだけでなく自分自身の食事も用意しているわけで、ダミアンが自分の世話までシーナにやらせようとするのは<役割分担>とは言えないはずだ。

ましてや、『仕事を終えて家に帰ってきた』のであればもうここから先は自由時間のはず。なのにシーナは、赤ん坊の世話からは解放されず、さらには<終業時間>もなく、二十四時間無休で拘束されているわけだ。これで<対等>とはおかしくないか?

<仕事の種類による違い>

と言うのであればなるほどそうかもしれないが、だったらなおのこと、シーナに対して<自分の世話>まで押し付けるのはおかしくないか? 俺はおかしいと感じるぞ。

セシリアはロボットだから俺の世話についても不満もストレスも感じないにしても、シモーヌにしてもらおうとしたらさすがに不満やストレスを感じても無理はないと思う。

とは言え、ダミアンのようなタイプの父親に、

『自分のことは自分でしろ』

などと言ったところで聞く耳は持たないだろう。そもそもそういう感覚を持ち合わせていないんだ。親がそういう感覚を育んでこなかったんだろうからな。なので、いまさら変えようとしてもそれこそ、

<大きな子供を育てる手間>

が要求され、シーナの負担が増えるばかりだ。ならば、

『ダミアンの世話についてはロボットに任せる』

形になるだろうか。しかし、そういうタイプの父親は母親が自分の世話をしないことについて批判的な態度を取ることも十分に考えられる。

『自分の世話をしてもらって当然』

と考えてるからだ。ならば、<育児>と<シーナの身の回りの世話>をロボットに負担してもらうことで余裕を作り、シーナはダミアンの世話をするという形がまあ、<妥協点>と言うところかもしれないな。

とは言えこうなると今度は、

『父親を甘やかすな!』

と言い出すのもいるんだろうなあ……

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