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第四世代

シモーヌ編 十枚アレクセイ

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新暦〇〇三六年六月十三日



こうして、

十枚とおまいアレクセイのコピー>

改め、

<十枚アレクセイ>

が俺達の仲間に加わった。

シモーヌについては、

「おめでとう。と、言わせてもらえばいいのかな……」

さすがに複雑そうに苦笑いしつつもそう言ってくれて、シオも、

「ありがとう……って、言わせてもらおうかな」

やっぱり苦笑いで応えた。

その一方で俺としては<覚悟>もしている。シモーヌの気持ちが昔に戻ってしまうことをな。彼女が俺のパートナーになってくれたのはあくまで『レックスと再会できなかったから』だったわけで、その前提条件が崩れてしまったんだ。そうなると気持ちが揺らいだっておかしくないだろう。

人間である以上は。

だからそれについては今後の成り行き次第として、今はレックスを迎えられたことを喜ぼう。

「でも、レックスがこうして現れたということは、シオをシモーヌと呼んだ方がいいのかな? レックスにとってはシモーヌなわけだし」

と俺が口にすると、

「いや、そのままでいい。実は二人きりの時には『シオ』って呼んでたりもしたから」

レックスの口から思わぬ暴露話が。

「~~~~っ!!」

瞬間、シオもシモーヌも動揺を隠せなかった。元の体は透明で、肌の色はあくまでファンデーションのそれだから見た目の色は変わらないが、明らかに耳まで真っ赤になってるであろうことが分かる表情だった。

「へえ、そうだったんだ?」

ビアンカがニヤニヤしながら問い掛けると、

「もう! ビアンカ!」

シモーヌとシオが声を揃えて。

しかし、レックスと久利生くりうはそれには取り合わず、

「とにかく、久利生くりうがいてくれたのは心強い」

「ああ、僕もレックスと再会できたのは僥倖だった。優秀な人材はいつだって必要だからね」

などと冷静にやり取りしている。レックスはそれこそ、この異様な状況をすぐさま受け入れ、対処している。しかし同時に、

「私が今の自分を受け入れられているのは、シオやシモーヌやビアンカや久利生くりうがいるからだよ。皆の経験を後追いするだけで済むから」

とも。確かに、何もかもを手探りでやってこなければならなかったシモーヌに比べれば『先例がある』というのは圧倒的に有利だろう。

加えて、久利生くりうやレックスは、<自分の体>に対してあまり頓着していない。久利生くりうは『軍人としての機能を果たせればそれでいい』と考えているらしいし、それはレックスも同じで、

『任務に支障がなければ問題ない』

的に考えているそうだ。対して、シモーヌやビアンカやシオは、<自分の体>については気になってしまう部分もあったということか。

あと、久利生くりうもレックスも、

『先にパートナーが現れていた』

というのも大きいかもしれない。

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