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第四世代
シモーヌ編 移動電源
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新暦〇〇三六年六月十日
さて、<炭鉱脇の汎用工場>で作っていた<移動電源>が完成したことで、テストに入る。
<石炭を燃料にした小型火力発電機を搭載し、それが生む電力でモーターを駆動する小型トラック>
だな。これによって、
『自力で目的の場所に移動し、そこで電源として運用される』
というためのものだ。
元々は、タイヤを備えた六本脚くらいの<多脚車両>を想定していたんだが、残念ながら今の制御技術じゃちと不安だったことで、俺のローバーをモデルにしたトラック型の総輪駆動車に落ち着いた。
それを、ドーベルマンMPMないしホビットMk-Ⅱで運転、運搬するんだ。
で、早速、アリニドラニ村に向けて出発する。直線距離にして約七百キロの道のりだ。運搬するだけならアリアンで運んでしまえば簡単ではあるものの、これもあくまで<試験運転>を兼ねたものだからな。
ホビットMk-Ⅱの<運転技術>はまだ不安があったので、今回についてはドーベルマンMPMが運転する。ホビットMk-Ⅱも<助手>として二機が助手席に座った。
「よし、じゃあ、出発だ」
俺の指示に従い、運転席に乗り込んだ<ドーベルマンMPM五十九号機>がゆっくりと移動電源を発進させる。
六つの大径タイヤでしっかりと地面を踏み締め前進する姿を、ホビットMk-Ⅱのカメラが捉える。
小型火力発電機の発電容量は、理論値で二百八十キロワット。内部にホビットMk-Ⅱのコンポーネントを流用したロボットを内蔵。石炭を自動で供給し、常時発電を続ける。
トラックの形をしていても、運転席以外に乗り込める部分はなく、荷箱に見える部分はすべて小型火力発電機であり、荷物はまあ、その上にキャリアを積んでるからそこに載せられるだけだな。今回も、交換用のタイヤやら部品やらを載せてるだけだ。
アリニドラニ村までのルートに<道>などまったくないので、母艦ドローンが随伴して通れそうなルートを検索しつつ誘導してくれる。
総輪駆動車としての構造は、コーネリアス号に装備されていたローバーを基にしている。俺のローバーに搭載されているブランゲッタは、今の技術や素材じゃ再現できないし。
<道なき道>を、平均速度十キロほどで進む。平坦な場所なら六十キロくらいは出せるものの、場所によっては人間が歩くよりも遅い速度でしか移動できない上にそういう場所の方が圧倒的に多いから仕方ない。
ただし、ローバーと違って<水陸両用>じゃないから、河などの走破不可能な場所についてはアリアンを派遣して運搬。河を超えたところで再び走行による移動に戻る形だ。
さて、<炭鉱脇の汎用工場>で作っていた<移動電源>が完成したことで、テストに入る。
<石炭を燃料にした小型火力発電機を搭載し、それが生む電力でモーターを駆動する小型トラック>
だな。これによって、
『自力で目的の場所に移動し、そこで電源として運用される』
というためのものだ。
元々は、タイヤを備えた六本脚くらいの<多脚車両>を想定していたんだが、残念ながら今の制御技術じゃちと不安だったことで、俺のローバーをモデルにしたトラック型の総輪駆動車に落ち着いた。
それを、ドーベルマンMPMないしホビットMk-Ⅱで運転、運搬するんだ。
で、早速、アリニドラニ村に向けて出発する。直線距離にして約七百キロの道のりだ。運搬するだけならアリアンで運んでしまえば簡単ではあるものの、これもあくまで<試験運転>を兼ねたものだからな。
ホビットMk-Ⅱの<運転技術>はまだ不安があったので、今回についてはドーベルマンMPMが運転する。ホビットMk-Ⅱも<助手>として二機が助手席に座った。
「よし、じゃあ、出発だ」
俺の指示に従い、運転席に乗り込んだ<ドーベルマンMPM五十九号機>がゆっくりと移動電源を発進させる。
六つの大径タイヤでしっかりと地面を踏み締め前進する姿を、ホビットMk-Ⅱのカメラが捉える。
小型火力発電機の発電容量は、理論値で二百八十キロワット。内部にホビットMk-Ⅱのコンポーネントを流用したロボットを内蔵。石炭を自動で供給し、常時発電を続ける。
トラックの形をしていても、運転席以外に乗り込める部分はなく、荷箱に見える部分はすべて小型火力発電機であり、荷物はまあ、その上にキャリアを積んでるからそこに載せられるだけだな。今回も、交換用のタイヤやら部品やらを載せてるだけだ。
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<道なき道>を、平均速度十キロほどで進む。平坦な場所なら六十キロくらいは出せるものの、場所によっては人間が歩くよりも遅い速度でしか移動できない上にそういう場所の方が圧倒的に多いから仕方ない。
ただし、ローバーと違って<水陸両用>じゃないから、河などの走破不可能な場所についてはアリアンを派遣して運搬。河を超えたところで再び走行による移動に戻る形だ。
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