未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

シモーヌ編 小型発電所

新暦〇〇三六年四月十三日



さて、石炭が発見されたという朗報に、俺のテンションは高まる。ここまで用意してきた火力発電所建設のための諸々と、五機のドーベルマンMPM及び十五機のホビットMk-Ⅱを、アリアンに積み込み、現地へと向かわせる。火力発電所を建設して、そこで多くのホビットMk-Ⅱを稼働させるためだ。母艦ドローンや基幹ドローンを通じた無線送電の容量では、数台のロボットを稼働させるだけで手一杯だしな。

アリアンの航続距離も、無給電だと最高の効率で飛行させても三千キロがやっとだ。それが、途中にそれなりの規模の発電所があればそこから給電することで航続距離は当然伸びる。運用の幅も広がる。

発見された炭鉱は、コーネリアス号から約六百キロの距離。それを、アリアンは二時間で到着。そこは、高低差百メートル未満の小規模な丘陵地帯だった。そこの一部に炭鉱が露出していたんだ。

アリアンによって運ばれたドーベルマンMPMらが早速試掘すると、間違いなく石炭の層が露出した炭鉱だった。母艦ドローンが撮影した映像を解析したところ、推定埋蔵量は五百万トン。炭鉱としては必ずしも規模は大きくないものの、今の時点で俺達が使う程度なら十分だろう。

そして、設置予定の小型火力発電所は、最低でも出力二百キロワットを予定。現状、俺達の集落で必要としてるのが五キロワットだから、計算上は同じ規模の集落なら四十ばかり賄えるわけだ。

ちなみに小型発電所の大きさは、ローバー一台分程度。今回は部品を現地に運び込んでそこで組み立てることにしたが、いずれは自走できるようにして、

＜移動電源＞

として運用することになると思う。要するに俺のローバーと同じ様な運用ができるようにするわけだな。

正直なところ、＜アミダ・リアクター＞に比べれば玩具おもちゃみたいなものではあるものの、確実に手に入る材料で作るにはこれが最も現実的でもある。

そして汎用工場のもっと大規模なのが稼働できるようになって、ウランなどの核燃料が発見できれば原子力発電所さえ視野に入ってくるだろう。

まあ、原子力発電所の場合は＜核廃棄物の安全な処理＞という問題が出てくるから、課題も大きいが。

アミダ・リアクターが作れれば核廃棄物をそのまま燃料にできるものの、こればっかりはごく一部の資源惑星から産出されているレアメタルが必須な上に、コーネリアス号の工作室とは次元の違う高度な設備が必要だから、まあ、＜夢物語＞ではあるけどな。

バイオマスや石炭を用いた火力発電が当面は主力になるだろう。