1,680 / 2,554
第四世代
シモーヌ編 ロボットオートジャイロ
しおりを挟む
新暦〇〇三六年四月六日
<ホビット製造工場>の隣に建設した<汎用工場>は、毎日、順調に様々な物品を製造してくれている。今の時点では『同一の品を大量に』という形ではなくて<多品種少量生産>になるけどな。何しろ、普通に<人間>として生きているのは、俺とシモーヌと光と和と陽と灯とビアンカと久利生と未来と黎明とケインとイザベラとキャサリンとルコアとシオの十数人だ。その日用品だけなら大量生産なんかする意味もない。
なので、コーネリアス号の工作室で行っていたのと同じ形で、ドーベルマンMPMの設計をベースにした汎用工作ロボットが必要に応じて物品を製造してくれている。
で、今は、<ホビット生産工場>の方で作ったホビットMk-Ⅱのコンポーネントを持ち込み、それをベースにして<ロボットオートジャイロ>を製造中だ。しかし無駄のない動きでエレクシアの設計を基に作業をすることで、二日で試作品が完成してしまった。
オートジャイロそのものは、非常に構造も単純だからな。<ジャンプ・テイクオフ機能>を持たせてなかったらそれこそ一日で完成しただろう。
そしてテストに移行する。
工場の外に出し、モーター始動。回転翼はピッチを変更できるようになっているから、まずは回転面に対して完全に水平になるようにして、動力を伝える。すると、回転面に対して完全に水平だからいくら早く回転させてもただ空を切るだけで機体を浮かせるほどの揚力は発生しない。
そのままの状態で回転を上げ、十分な速度になったら動力を切り、同時に回転翼のピッチを変更。ここで初めて強い揚力が発生。まるで竹トンボのように機体が浮かび上がる。
こうして数メートルの高さまで浮き上がったところで推進用のプロペラを回転させ、前進……と思ったら、回転翼の一枚が根元から折れて飛び、地上にいたホビットMk-Ⅱのすぐ傍の地面に突き刺さったかと思うと、オートジャイロの方は、回転翼のバランスが崩れたことでメチャクチャに機体が振られ制御不能となり、墜落。見事にバラバラになった。
「うへえ……」
俺の口から思わずそんな声が漏れ、唖然となる。
いやはや、近くに人間がいなくてよかった。まあ、そのためのロボットオートジャイロだしな。
どうやらアルミ合金製の回転翼の強度が計算通りに出ていなかったらしい。だがこれも想定の内だ。こういう不具合の洗い出しをするためのテストだし。
墜落し大破した機体は回収され詳細に調べられる。決して無駄にはならない。こういう地道なデータの積み重ねこそが技術を発展させるんだ。
<ホビット製造工場>の隣に建設した<汎用工場>は、毎日、順調に様々な物品を製造してくれている。今の時点では『同一の品を大量に』という形ではなくて<多品種少量生産>になるけどな。何しろ、普通に<人間>として生きているのは、俺とシモーヌと光と和と陽と灯とビアンカと久利生と未来と黎明とケインとイザベラとキャサリンとルコアとシオの十数人だ。その日用品だけなら大量生産なんかする意味もない。
なので、コーネリアス号の工作室で行っていたのと同じ形で、ドーベルマンMPMの設計をベースにした汎用工作ロボットが必要に応じて物品を製造してくれている。
で、今は、<ホビット生産工場>の方で作ったホビットMk-Ⅱのコンポーネントを持ち込み、それをベースにして<ロボットオートジャイロ>を製造中だ。しかし無駄のない動きでエレクシアの設計を基に作業をすることで、二日で試作品が完成してしまった。
オートジャイロそのものは、非常に構造も単純だからな。<ジャンプ・テイクオフ機能>を持たせてなかったらそれこそ一日で完成しただろう。
そしてテストに移行する。
工場の外に出し、モーター始動。回転翼はピッチを変更できるようになっているから、まずは回転面に対して完全に水平になるようにして、動力を伝える。すると、回転面に対して完全に水平だからいくら早く回転させてもただ空を切るだけで機体を浮かせるほどの揚力は発生しない。
そのままの状態で回転を上げ、十分な速度になったら動力を切り、同時に回転翼のピッチを変更。ここで初めて強い揚力が発生。まるで竹トンボのように機体が浮かび上がる。
こうして数メートルの高さまで浮き上がったところで推進用のプロペラを回転させ、前進……と思ったら、回転翼の一枚が根元から折れて飛び、地上にいたホビットMk-Ⅱのすぐ傍の地面に突き刺さったかと思うと、オートジャイロの方は、回転翼のバランスが崩れたことでメチャクチャに機体が振られ制御不能となり、墜落。見事にバラバラになった。
「うへえ……」
俺の口から思わずそんな声が漏れ、唖然となる。
いやはや、近くに人間がいなくてよかった。まあ、そのためのロボットオートジャイロだしな。
どうやらアルミ合金製の回転翼の強度が計算通りに出ていなかったらしい。だがこれも想定の内だ。こういう不具合の洗い出しをするためのテストだし。
墜落し大破した機体は回収され詳細に調べられる。決して無駄にはならない。こういう地道なデータの積み重ねこそが技術を発展させるんだ。
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる