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第四世代

シモーヌ編 公園

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ビアンカから聞いたシオの様子について、改めて触れておく。

朝食を終えた彼女は、乗員らの私室以外のほとんどは見る影もなくなったコーネリアス号の中を改めて散策し、自分達がいた時とはまったく変わってしまったことを確認していた。

しかし、<プラント>と<公園>についてはほぼそのままだったことで、少しホッとしたようだ。彼女の専門は植物学。植物に触れるとそれだけ安心するんだろう。

加えて<公園>は、ルコアも散々世話になった設備である。コーネリアス号の乗員達にとっても憩いの場所だったと聞く。

内部は緑豊かな公園の光景が再現されていて、天井や壁は地球の景色の映像を映し出し、一部は実際に植物が繁茂してるんだ。ルコアの時も触れたが、二千年以上放置されていたことで植物は枯れ果て荒れ放題だったのを、セシリアやメイフェアの指揮の下、ドーベルマンDK-aやドーベルマンMPMやモニカやハートマンがコツコツと整備してくれてここまでにしたんだ。ちなみに現在は、ドーベルマンDK-aの初号機と弐号機と参号機が担当になっている。

そして彼女が公園内を見ている時も、初号機と弐号機と参号機は植物の手入れをしていて、

「あなた達が世話してくれてたの? ありがとう」

と労ってくれた。発声機能を持たないドーベルマンDK-aらは、敬礼でそれに応える。

それからシオはベンチに座って、ドーム状の公園の壁や天井が地球の光景を映し出しているのをぼんやりと眺めていた。そうやってぼんやりする時間も大事だと思う。そうしていつの間にか眠ってしまっていた。

公園の中は快適な環境を維持できるようになっていて、シオが眠ってしまったことで少し温度を上げ、風邪などひかないようにしてくれる。これはコーネリアス号のAIが制御していた。

だが、しばらくすると、寝ているシオの表情が険しくなって、ビクッと体を震わせて、

「っは……っ!?」

息を詰まらせて目を覚ました。明らかに悪夢を見たのが分かる様子だった。

そうしてシオはベンチに座ったままで頭を抱え、体を小さく震わせていた。泣いていたんだろう。そこに、

「御用があれば何なりとお申し付けください」

桜華おうかが声を掛ける。

「ありがとう……でも、大丈夫……」

強がりかもしれないが、シオはそう応えた。実際、自分の中に状況を落とし込む作業は、本人にしかできないからな。誰も手を貸すことはできない。周囲にできるのは、あくまで本人がそれを行うのに邪魔にならないような環境を整えることだ。

桜華おうか高仁こうじんもドーベルマンDK-aもドーベルマンMPMも、今はそのために稼働する。

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