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第四世代

シモーヌ編 現実を実感

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「これは……こう言っては何だけど、大変に興味深いね」

シオは素直な感想としてそう口にした。これも、ビアンカが現れたばかりの頃だったらやや憚られたかもしれないが、今の自分自身を受け入れられたビアンカにとっては大きな問題じゃない。

さらには、

「その背中に乗ってるのは、ひょっとしてビアンカの子供……?」

タブレットの中の映像で、ビアンカの本体側の背中に乗っているケインに気付いてシオが問い掛けると、

「うん。アラニーズとしての私の息子。ケイン。他にもイザベラとキャサリンもいるんだ」

と応え、そこに久利生くりうが、

「それだけじゃないよ。黎明れいあもいる。僕とビアンカの娘だ」

言いながら自分が抱いていた黎明れいあをシオに見せる。

「その子は人間の姿なんだね!?」

次々と示される事実に、シオは興奮を隠せない。そんな彼女にシモーヌが、

黎明れいあは、ビアンカの<人間のようにも見える部位>で妊娠した子供で、れっきとした久利生くりうの子供だけど、ケインとイザベラとキャサリンは、彼女の特異な肉体が持つ機能で、<自家受精>という形で生まれた子供達なんだよ。だから、<父親>はいない」

簡単な説明を。

「すごい! すごい! もちろん詳細なデータはあるよね!?」

ますます興奮して前のめりになるシオの姿には、シモーヌが辿った<葛藤>は微塵も見えなかった。<研究者としての関心>に振り切れるとそれ以外はどうでもよくなるってことかもしれないな。

だがこれも、シモーヌの事例があったからこそ、シモーヌ自身の経験があったからこそ、それに最適な対処法として彼女は思い付いたんだろうな。無論、興奮が冷めると我に返って自身の境遇に打ちのめされたりということもあるかもしれないが、そこは俺達もフォローするさ。



こうしてシオは取り敢えず今の状況をおおむね理解して、それからざっとコーネリアス号の中を桜華おうかに案内されて、一部の設備や区画を除いてほとんど見る影もなくなった船内の様子に改めて現実を実感したようだった。

さらに、コーネリアス号の外に出て乗組員らの<墓>に参る。不定形生物と同化した乗組員らはともかく、他は本当に亡くなっているからな。

それからメンテナンスを終えたセシリアやメイフェアと一緒にアリアンに乗ってまずはこちらに向かう。その中でも、

「アリアン、ヘリのAIとして運用されてるんだね」

「はい。私の元のボディは経年劣化と風化で完全に使い物にならなくなりましたから」

などとやり取りをしていた。加えて、

「イレーネも、一部の機能に支障はあるけど稼働してるんだよ」

メイフェアからも聞いたり、本当に膨大な情報に触れる。それらをしっかりと受け止めて理解できる彼女の優秀さを改めて実感させられるな。

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