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第四世代

シモーヌ編 呼び名

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とまあ、そんなこんなで<新しい秋嶋あきしまシモーヌのコピー>には、コーネリアス号の医務室でまずは詳細な健康診断を受けてもらう。体調もそうだが、厄介な細菌やウイルスに感染してたら困るしな。

しかも、アリアンに乗っていた時にもすでに、自分の透明な手足や体を見て、

「なにこれ!? これが私の体!?」

とまあ、当然と言っていい反応をしていた。ただ、俺のパートナーのシモーヌは、治療カプセルから出た時には、少なくともコーネリアス号のクルーであったことについては思い出していたが、今回の<秋嶋シモーヌのコピー>については、その辺りについてもまだ思い出せていないようだ。

それでも、空港でローバーに乗り換えてもらってコーネリアス号まで移動、そのままカーゴルームに入ると、

「私……ここのこと、知ってる……」

などと呟いた。その一方で、中で作業をしていたドーベルマンMPMを見ると、

「こんなロボット……いたっけ……?」

おぼろげな記憶と、見た覚えのないロボットの存在が嚙み合わず、余計に混乱してしまっているようだ。

そこに、

「シモーヌ様。現在の健康状態をチェックさせていただきますので、どうぞこちらに」

言いつつ現れたのは、車椅子を押したアリス号機だった。つい先ほど完成したばかりのアリス号機を案内係にさせてもらったんだ。

ちなみにアリス号機の名前は、<桜華おうか>。今、起動前の最終チェックを行ってるドライツェン号機の名前は、<高仁こうじん>。共にあかりがコーネリアス号のアーカイブで見付けたアニメのキャラクターの名前だそうだ。

まあそれはいいとして、桜華おうかは<新しい秋嶋シモーヌのコピー>を車椅子に乗せて、メディカルルームへと連れていった。そこで治療カプセルに入ってもらい、メディカルチェックを行う。一般的な項目については全自動で行われるし、ここで採取された細菌やウイルス等の情報についてもアップデートしてあるので、そちらも合わせてチェックする。

それで問題がなければ三十分ほどで終わるはずだ。

少々興奮状態だったことで鎮静作用のある薬剤が投与され、彼女は眠ってしまった。

そうして彼女が眠っている間に俺達は話し合う。

「取り敢えずは彼女をどう呼ぶかだな」

俺の言葉に、久利生くりうは、

「しかし、彼女も秋嶋シモーヌだから、我々で勝手に呼び名を決めていいのだろうか? 軍では同姓同名の隊員がいてもたいていは階級が違ったから、階級込みで呼べば問題なかったが……」

と口にする。それに、ビアンカも、

「そうですね。いくら先にシモーヌがいるからってちょっとそれは……」

同調する。

けれど、こちらのシモーヌは、

「ああ、その辺はあんまり気にしなくても大丈夫だと思う。彼女も、落ち着いたら今のこの状況に猛烈に関心を抱くから、それこそ番号で呼ばれたって気にしないんじゃないかな」

とのことだった。

……さすが<元・同一人物>だな……

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