1,623 / 2,554
第四世代
玲編 防衛体制
しおりを挟む
明、玲、鋭、玖号機、拾弐号機の連携は、ほぼ完璧と言ってよかっただろう。普通のマンティアン相手ならたちどころに退けてしまったであろうくらいには。
なのに、龍昇はその数の差をまるでものともしなかった。向こうとしても攻めあぐねてはいるようだが、まったく焦りを感じさせない。状況が不利なようには見えない。むしろ冷静に明達の力を図っている印象さえあった。
事実、狙いを完全に明に定めたようだ。おそらくこの中では最も弱いであろう明に。
本当に憎たらしいくらいにクレバーだよ。
無論、明も黙ってやられたりはしない。全盛時に比べれば俺の目からも明らかに衰えてはいるものの、だからといって諦めたりもしない。間違いなく自分の力で殺すつもりで攻撃してるのが分かる。そして、刃を通して受け継いだエレクシア譲りの<格闘術>で、肉体の衰えをカバーしているのも確かだった。
足の運びでスピードに勝る龍昇の攻撃をはぐらかし、そこに玲や鋭や玖号機や拾弐号機が攻撃を加える。龍昇としてもそれらすべてを完全には躱しきれないものの、持ち前のタフネスさとインパクトの瞬間に微妙に体をひねることで衝撃を逃し、ダメージにならないようにしているのが伝わってくる。
ここまでのところで父親であろう龍然ほどの異常なまでの強さは見られないものの、普通のマンティアンなら瞬殺されてもまったくおかしくないそれに、背筋が寒くなる。こういうのが増えてしまうと、防衛体制を根本から見直さなくちゃいけなくなるだろう。
なにしろ、ドーベルマンDK-aを恐れないんだ。これまでは多くの動物がドーベルマンDK-aやドーベルマンMPMを恐れて近寄らなかったから、たまに現れる無謀な奴に対処してればよかったものの、龍準や龍昇レベルのが頻繁に現れるようになったら、手が足りなくなるぞ。
おそらく、鋭や晴じゃ対応できないだろうし。
そのためにも、ホビットMk-Ⅱの量産は急務かも知れない。個の力では龍準や龍昇に対応できなくても、<戦術>と<数の暴力>で対処する形が必要だろうな。
地球人はそうして野生の獣に対抗してきたわけだし。
ただ同時に、一方的に力で排除する形にするのも好ましくないだろうというのも事実か。やっぱり目指すべきは<住み分け>であって、他者を蹂躙して思いのままにすることじゃない。そういう発想を根付かせるのはマズいと思う。
地球の歴史においても、他者を蹂躙し意のままに操ろうとする奴はいたし、それを国家レベルで行ってるのもいたりした。
『暴力で従わせればいい』
という発想は、人間が持つには危険すぎるんだ。
なのに、龍昇はその数の差をまるでものともしなかった。向こうとしても攻めあぐねてはいるようだが、まったく焦りを感じさせない。状況が不利なようには見えない。むしろ冷静に明達の力を図っている印象さえあった。
事実、狙いを完全に明に定めたようだ。おそらくこの中では最も弱いであろう明に。
本当に憎たらしいくらいにクレバーだよ。
無論、明も黙ってやられたりはしない。全盛時に比べれば俺の目からも明らかに衰えてはいるものの、だからといって諦めたりもしない。間違いなく自分の力で殺すつもりで攻撃してるのが分かる。そして、刃を通して受け継いだエレクシア譲りの<格闘術>で、肉体の衰えをカバーしているのも確かだった。
足の運びでスピードに勝る龍昇の攻撃をはぐらかし、そこに玲や鋭や玖号機や拾弐号機が攻撃を加える。龍昇としてもそれらすべてを完全には躱しきれないものの、持ち前のタフネスさとインパクトの瞬間に微妙に体をひねることで衝撃を逃し、ダメージにならないようにしているのが伝わってくる。
ここまでのところで父親であろう龍然ほどの異常なまでの強さは見られないものの、普通のマンティアンなら瞬殺されてもまったくおかしくないそれに、背筋が寒くなる。こういうのが増えてしまうと、防衛体制を根本から見直さなくちゃいけなくなるだろう。
なにしろ、ドーベルマンDK-aを恐れないんだ。これまでは多くの動物がドーベルマンDK-aやドーベルマンMPMを恐れて近寄らなかったから、たまに現れる無謀な奴に対処してればよかったものの、龍準や龍昇レベルのが頻繁に現れるようになったら、手が足りなくなるぞ。
おそらく、鋭や晴じゃ対応できないだろうし。
そのためにも、ホビットMk-Ⅱの量産は急務かも知れない。個の力では龍準や龍昇に対応できなくても、<戦術>と<数の暴力>で対処する形が必要だろうな。
地球人はそうして野生の獣に対抗してきたわけだし。
ただ同時に、一方的に力で排除する形にするのも好ましくないだろうというのも事実か。やっぱり目指すべきは<住み分け>であって、他者を蹂躙して思いのままにすることじゃない。そういう発想を根付かせるのはマズいと思う。
地球の歴史においても、他者を蹂躙し意のままに操ろうとする奴はいたし、それを国家レベルで行ってるのもいたりした。
『暴力で従わせればいい』
という発想は、人間が持つには危険すぎるんだ。
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる