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第四世代
玲編 血縁関係
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『龍準が接近しています』
エレクシアがそう告げたように、龍準が明の縄張りに進入してきたんだ。なので俺は、
「エレクシア、龍準を追い払ってくれ」
そう指示を出す。今はイレーネもいるから頼みやすい。
「承知しました」
エレクシアは応えて、<危機対応モード>で現場へと向かう。
一方、明はさすがに龍準が自分の縄張りに侵入したことを気付いていなくて、玲と鋭も、少し距離を取りながらも彼女の後をついていった。
そして住処までもう少しというところで、
「警告! マンティアンが明に接近しています!」
イレーネが声を上げる。
「なにっ!?」
見ると、ドローンのカメラにマンティアンの姿。しかも、
「<龍然>との血縁関係が推測される個体です」
と。
「くそっ! 他にもいたのか!?」
当然、<龍然の子>が龍準以外にもいる可能性はあった。一応はそれも想定はしていた。だがそれがこのタイミングで現れるとか、間が悪すぎだろう。しかも、こちらの早期警戒網をかいくぐってだと?
隠密性が極めて高いマンティアンならではかもしれないものの、それにしてもだな。
「!?」
さすがに明も余所者が入り込んでいることに気付き、身構える。その動きは、さすがに全盛期の頃に比べると劣るかもしれないが、ここ最近の様子からは想像もできないくらいに素早いものだった。
けれど、相手はそれをさらに上回っていた。一瞬で明に迫りその腹に膝蹴りを叩きこむ。こいつも龍準並の格闘センスを備えているのが察せられた。
「ギッ!!」
明が強烈な膝蹴りを腹に受けて前屈みになったところに、<龍準の兄弟らしきマンティアン>が、頭を振りかぶる。頭突きを食らわすつもりだ。
「明っ!!」
まさか、こんな形で最後を迎えるのか……!
もちろん、マンティアンとしてはごく普通の最後だ。老いて戦えなくなった個体は若く力を持つ個体によって駆逐される。それがマンティアンの世界だ。だからこれも、<あるべき姿>なんだろう。
だが……
<我が子>が殺されるところなど見たいとは思わない。
と、その時、画面内に何か白いものが飛び込んできて、マンティアンが頭を振ってそれを躱す。
「玲!?」
そう、玲だった。玲が飛び蹴りを食らわそうとしたんだ。それは躱されたものの、さらにそこに、
「鋭も!?」
今度は鋭が突撃。マンティアンを蹴り飛ばした。その隙に、明は後ろに飛び退いて間合いを取る。
それに遅れること一秒足らず。さらに玖号機と拾弐号機も駆けつけ、マンティアンの前に立ちはだかったのだった。
エレクシアがそう告げたように、龍準が明の縄張りに進入してきたんだ。なので俺は、
「エレクシア、龍準を追い払ってくれ」
そう指示を出す。今はイレーネもいるから頼みやすい。
「承知しました」
エレクシアは応えて、<危機対応モード>で現場へと向かう。
一方、明はさすがに龍準が自分の縄張りに侵入したことを気付いていなくて、玲と鋭も、少し距離を取りながらも彼女の後をついていった。
そして住処までもう少しというところで、
「警告! マンティアンが明に接近しています!」
イレーネが声を上げる。
「なにっ!?」
見ると、ドローンのカメラにマンティアンの姿。しかも、
「<龍然>との血縁関係が推測される個体です」
と。
「くそっ! 他にもいたのか!?」
当然、<龍然の子>が龍準以外にもいる可能性はあった。一応はそれも想定はしていた。だがそれがこのタイミングで現れるとか、間が悪すぎだろう。しかも、こちらの早期警戒網をかいくぐってだと?
隠密性が極めて高いマンティアンならではかもしれないものの、それにしてもだな。
「!?」
さすがに明も余所者が入り込んでいることに気付き、身構える。その動きは、さすがに全盛期の頃に比べると劣るかもしれないが、ここ最近の様子からは想像もできないくらいに素早いものだった。
けれど、相手はそれをさらに上回っていた。一瞬で明に迫りその腹に膝蹴りを叩きこむ。こいつも龍準並の格闘センスを備えているのが察せられた。
「ギッ!!」
明が強烈な膝蹴りを腹に受けて前屈みになったところに、<龍準の兄弟らしきマンティアン>が、頭を振りかぶる。頭突きを食らわすつもりだ。
「明っ!!」
まさか、こんな形で最後を迎えるのか……!
もちろん、マンティアンとしてはごく普通の最後だ。老いて戦えなくなった個体は若く力を持つ個体によって駆逐される。それがマンティアンの世界だ。だからこれも、<あるべき姿>なんだろう。
だが……
<我が子>が殺されるところなど見たいとは思わない。
と、その時、画面内に何か白いものが飛び込んできて、マンティアンが頭を振ってそれを躱す。
「玲!?」
そう、玲だった。玲が飛び蹴りを食らわそうとしたんだ。それは躱されたものの、さらにそこに、
「鋭も!?」
今度は鋭が突撃。マンティアンを蹴り飛ばした。その隙に、明は後ろに飛び退いて間合いを取る。
それに遅れること一秒足らず。さらに玖号機と拾弐号機も駆けつけ、マンティアンの前に立ちはだかったのだった。
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