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第四世代

玲編 遠大な計画

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ビクキアテグ村が材木の提供を受ける代わりに、土地が開けていて畑が作りやすいビクキアテグ村からは作物が供給されることになる。すでに、原生の植物の中から食用に適しているものを畑で育てている。

これは、<ダミーの集落>としてドーベルマンMPMで畑を作ったりしていた時にいろいろ試していた結果だ。

ただし、元々、コーネリアス号のプラントで育てていた地球原産の野菜類については、そのままここで育てると、土の成分の影響で逆に食べられないものになる可能性があったので、基本的には、

<水耕栽培>

及び、プラントで使われていた土に、ビクキアテグ村で出る<生ゴミ>や<排泄物>を堆肥化したものを混ぜて嵩増しし、プランターを使って育てている。今の人数ならそれでも間に合ってるんだが、今後も<人間>が増えてくるであろうことを鑑み、ビクキアテグ村に<野菜工場>の建設も計画していて、そのための準備を始めてるんだ。主に<建材>だな。

で、その建材をそれなりにまとまった量を一度に作るための<工場>を、ボーキサイト鉱床の近くに作る計画を進めている。それらに必要な設備を、まずはコーネリアス号で作って。それができれば、コーネリアス号の工房に頼り切りだったのが解消され、生産力が一気に上がる。

アリゼドラゼ村とアカトキツユ村に搬入された製材機もその一環だな。

しかし、大量の建材を作れるようになると、それを一度に輸送するための手段も必要になる。ある程度まではアリアンで賄えるとしても、アリアンの積載量も十五トンだからな。それ以上となれば、今度は当然のこととして<鉄道>が必要になってくるだろう。

<鉄道>も、その仕組みは極めて原始的ながら実に合理的で、数百トン数千トン単位の物品を一度に安全に安価に輸送できるという点においては、右に出るものはいない。もちろん、海などを超えてとなると巨大タンカーに頼ることになるだろうが、取り敢えずこの台地の上には<海>はない。

大規模輸送を考えるなら、欠かせない存在だ。

でもまあ、そこまでとなるとまだまだ先だな。俺が生きてる間には実現しない可能性が高い。何十人何百人程度の社会なら逆に持て余してしまうだろう。

さりとて、長期的な視点に立てば考えなきゃいけないものでもある。

いやはや、実に果てしないな。それらを地道に作り上げ、便利に生きられる社会を築いてくれた先人達には本当に頭が下がるよ。確かに、その陰では環境破壊などのマイナス面もあっただろうが、今はその過去の失敗から学べるしな。

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