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第四世代
玲編 メイフェア
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誉達の縄張りに進入した龍準の前に、メイフェアは立ちはだかった。メンテナンス用ナノマシンを節約するために一ヶ月に一回程度に抑えているとはいえメンテナンスを欠かさずに行っている彼女の調子は万全だ。
「戦闘モード」
「戦闘モード。了解いたしました」
これにより全力稼働が可能になった彼女には、それこそ<不定形生物由来の怪物>くらいでないと対抗できない。牙斬のような、な。
龍然でさえ、エレクシアには手も足も出なかったんだ。そうなれば、当然のこととして、龍準ではメイフェアには敵わない。
はずだ。
とは言え、牙斬のような例が出てしまったからには、<絶対>は有り得ない。<不定形生物が変化した怪物>だけでなく、それ以外でも……
などと思うんだが、まあ結論から言えばそれは杞憂だった。
龍準からは仕掛けてこなかったことで、メイフェアが先に仕掛けた。攻撃したわけじゃないが、一気に間合いを詰めたのに反応して、龍準は両手のカマを突き出してきた。
こうやって反応できたこと自体がもうすでにすごいにせよ、それでも普通の生物の限界はそんなもんだよなという印象でもある。
突き出されたカマをメイフェアは右手だけで弾いて捌き、そのまま右手で龍準の首を捉えて、<喉輪>。
「ギッ……!」
その衝撃に龍準が明らかに怯む。それでも攻撃性は収まらず、反射的に右脚を跳ね上げてメイフェアの腹を狙う。
しかしそんなものは彼女には通じない。左手で受け止められ押し退けられ、逆にメイフェアが右回し蹴り。
龍準では反応できない速度で。
十分に手加減はしているものの、ヘルメットを被っているかのような頭が爆発したかのように弾かれて、その場に膝を着く。
「? ……?」
自分の身に何が起こったのか、理解できてないようだ。なのにメイフェアが左手を伸ばすと右方向に跳んで躱す。普通の動物なら脳震盪でも起こしてるところだろうに、さすがのタフネスぶりだな。
けれど、戦闘モードで全力稼働中の彼女からは逃れられない。いくら、攻撃の一瞬だけ全力を出す省エネ稼働であってもだ。
横っ飛びした龍準を追ってメイフェアも横っ飛び。そのまま右手で地面に押さえ付けて、左手に持ったシリンジ型の注入器を龍準の腰に押し付け、チップを圧入。
シリンジから小さな刃が出て、マンティアンの天然の装甲に刺さる。深さは二ミリほど、刃にチップが着いていて、シリンジを離すとチップだけが中に残るという感じだ。
天然の装甲そのものを貫通することはない。なのでおそらく痛みもない。
こうしてチップを埋め込むことには成功したのだった。
「戦闘モード」
「戦闘モード。了解いたしました」
これにより全力稼働が可能になった彼女には、それこそ<不定形生物由来の怪物>くらいでないと対抗できない。牙斬のような、な。
龍然でさえ、エレクシアには手も足も出なかったんだ。そうなれば、当然のこととして、龍準ではメイフェアには敵わない。
はずだ。
とは言え、牙斬のような例が出てしまったからには、<絶対>は有り得ない。<不定形生物が変化した怪物>だけでなく、それ以外でも……
などと思うんだが、まあ結論から言えばそれは杞憂だった。
龍準からは仕掛けてこなかったことで、メイフェアが先に仕掛けた。攻撃したわけじゃないが、一気に間合いを詰めたのに反応して、龍準は両手のカマを突き出してきた。
こうやって反応できたこと自体がもうすでにすごいにせよ、それでも普通の生物の限界はそんなもんだよなという印象でもある。
突き出されたカマをメイフェアは右手だけで弾いて捌き、そのまま右手で龍準の首を捉えて、<喉輪>。
「ギッ……!」
その衝撃に龍準が明らかに怯む。それでも攻撃性は収まらず、反射的に右脚を跳ね上げてメイフェアの腹を狙う。
しかしそんなものは彼女には通じない。左手で受け止められ押し退けられ、逆にメイフェアが右回し蹴り。
龍準では反応できない速度で。
十分に手加減はしているものの、ヘルメットを被っているかのような頭が爆発したかのように弾かれて、その場に膝を着く。
「? ……?」
自分の身に何が起こったのか、理解できてないようだ。なのにメイフェアが左手を伸ばすと右方向に跳んで躱す。普通の動物なら脳震盪でも起こしてるところだろうに、さすがのタフネスぶりだな。
けれど、戦闘モードで全力稼働中の彼女からは逃れられない。いくら、攻撃の一瞬だけ全力を出す省エネ稼働であってもだ。
横っ飛びした龍準を追ってメイフェアも横っ飛び。そのまま右手で地面に押さえ付けて、左手に持ったシリンジ型の注入器を龍準の腰に押し付け、チップを圧入。
シリンジから小さな刃が出て、マンティアンの天然の装甲に刺さる。深さは二ミリほど、刃にチップが着いていて、シリンジを離すとチップだけが中に残るという感じだ。
天然の装甲そのものを貫通することはない。なのでおそらく痛みもない。
こうしてチップを埋め込むことには成功したのだった。
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