未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第三世代

灯編 ビアンカの里帰り

新暦〇〇三五年六月二十三日



灯あかりがミレニアムファルコン号でちょくちょく里帰りするのに対して、アラニーズであり体重二百キロ近いビアンカは、ローバーで三時間ほどを費やして帰るしか方法がなかった。だから毎日忙しくしてる彼女がこっちに帰ってくるのはなかなか難しかったんだが、

「アリアン使ったらすぐじゃん」

という灯あかりの提案により、ビアンカの＜里帰り＞が実現した。

と言っても、黎明れいあの世話もあるしケイン達の相手もあるし素戔嗚すさのおの相手もあるしという中で、移動時間は往復一時間強。滞在時間は二時間という強行スケジュールだが、

「シモーヌや光ひかりや和まどかや陽ひなたや萌花ほのかや麗うららに会いたい」

ビアンカ自身の要望もあってのことだった。

ちなみに、アリアンは、コーネリアス号からの発着にすると凱かいや凛りん達が怯えてしまうので、ビクキアテグ村とコーネリアス号の中間地点辺りに改めて＜空港＞を建設。そこにアリアンの整備もできる＜駐機場＞も作ることで対処した。この駐機場の建設には、ボーキサイト鉱床の発見によって確保できたアルミ合金の建材が非常に役に立ってくれた。

これなら、ビアンカであればそれこそジョギング程度の感覚で空港まで来れて、乗り込むこともできる。

こうして、

「ビアンカ！」

「ビアンカおかえり！」

「おかえり」

「おかえり、ビアンカ」

和まどかと陽ひなたと光ひかりとシモーヌが出迎えて、

「おかえり」

俺も、密林の中からイレーネと共に現れたビアンカを歓迎した。

まあ、麗うららと順じゅんはいまだにビアンカは少し苦手だから家にこもってるけどな。あと、アリアンが集落の上空まで来るといろいろ大変だということで、河岸で水面ギリギリまで下りて、ビアンカを降ろすという形をとり、イレーネを警護に派遣したんだ。

「ただいま……！」

ローバーが何度も通ったことで＜道＞のようになったところを通ってきたビアンカが、少し涙目になってた。

彼女にとってもここはもう、＜故郷＞みたいなものになってたんだろうな。そこに久しぶりに帰ってこれて、感極まってしまったか。

＜オリジナルのビアンカ・ラッセ＞にとってはそうじゃなくても、＜アラニーズのビアンカ＞にとっては。ってことだ。

「ビアンカ、もうすっかり立派な＜お母さん＞になっちゃって……」

シモーヌがビアンカを招きながら言うと、

「ううん、私なんてまだまだ。毎日が試行錯誤の連続だよ」

ビアンカも、涙は浮かべながらも笑顔になる。そんなビアンカに光ひかりが。

「大丈夫。あなたは立派にやってる。私も母親として尊敬する」

眠っている萌花ほのかを抱きながら声を掛けた。

「ありがとう、光ひかり。この子が萌花ほのかね。可愛い……♡」

頬を緩ませて萌花ほのかを覗き込むビアンカの姿を、俺も穏やかな気持ちで見ていたのだった。