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第三世代

灯編 ビクキアテグ村のお母さん

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新暦〇〇三五年六月二十日



そうしてケイン達が順調に育っていく中、あかりは、

『家族全体を見守りサポートする』

という役割を実に確実にこなしてくれてた。

「どう? ビアンカ。ケイン達の様子は?」

「うん。元気だよ。今日は初めて手袋なしでゴハンあげたんだ。でもぜんぜん危険を感じなかった。あの子達も順調に人間として育ってきてるんだなって実感したよ」

とビアンカを気遣い。

「お父さんはこういう時、何にもできなくて大変だね。ま、ビアンカを慰めるって役目はあるけどさ。シシシ♡」

「あはは。そうだね。でも、僕だけじゃきっと足りなかったと思う。未来みらい黎明れいあとは違い過ぎるからね。だからあかりがいてくれて本当に助かる」

久利生くりうを鼓舞し。

「ルコアはどう? なんか変わったことない?」

「うん。私は大丈夫。未来みらいいるし」

一緒に料理をしながらルコアとコミュニケーションを図り。

「おしこい! ここだ!」

「ふん! ふん!」

未来みらいのパンチを掌で受け止め。

「は~い♡ おむつを変えましょうね~♡」

「みゃああ~っ!」

黎明れいあの世話をした。

まさに八面六臂の大活躍。さしずめ、

<ビクキアテグ村のお母さん>

って感じだな。本人はまだ一人も子供を生んでないが。

そんなあかり自身もたまには息抜きも必要だから、家族のことはモニカとテレジアとハートマンとグレイに任せて、

「ただいま~♡」

いきなり<里帰り>してきたりもする。いつものように<ミレニアムファルコン号>を自在に操って、見事な着地を決めて。

「本当に相変わらずいきなりだな」

「ししし♡ サプライズサプライズ、親孝行だよ♡」

とか悪戯っぽく笑いながら言うんだ。

あかりお姉ちゃん!」

あかり!」

「あ~!」

まどかひなた、そしてうららも、あかりを歓迎する。こちらも相変わらず好かれてるな。ここにいた時にいかに慕われてたかが分かる。

さらに、

萌花ほのか~♡ あかりおばちゃんですよ~♡」

ひかりじゅんの第二子にして姪に当たる萌花ほのかにも笑顔で挨拶してくれる。しかしこれは、見慣れない相手がいきなり顔を寄せてきたことで、

「うえええ~っ!」

萌花ほのかに泣かれてしまった。

「あはは、さすがにびっくりさせちゃったか。ごめんごめん」

もうすでに生まれてから九ヶ月になり、地球人だと二歳近くに見えるまで大きくなった萌花ほのかとはいえ、実際は月齢九ヶ月だからな。無理もない。

その上で、

「お姉ちゃんも幸せそうで何よりだ」

ひかりに対して妹として挨拶をする。するとひかりも、

あかりも、あっちで幸せなんだね。いい顔してる」

姉としてホッとした様子で応えたのだった。

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