未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第三世代

灯編 筋違い

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地球人社会じゃ、

『他者が攻撃してくる』

ことそのものが<当たり前>とされて、だから、

『自分が他者を攻撃するのが当たり前』

という考えがあった。でも、おかしくないか? 『他者に攻撃されるのが嫌』なんだろう? なのになんでそこで『自分も他者を攻撃するのが当たり前』って話になるんだ? 自分がそう考えているなら他者にそう考えることをやめさせるなんて筋違いだぞ?

『他者からの攻撃をなくすなんてことは、ただの綺麗事だ!!』

的なことを言う奴も多かったが、いやいやそれは結局、『自分が他者を攻撃するのが当たり前』ってことを否定されたくないからそう言ってるだけだろう?

その点、ここじゃ、<攻撃>してくるのは野生の獣だけだ。人間同士での衝突は今のところない。衝突する必要もないしな。そこにわざわざ、『自分が他者を攻撃するのが当たり前』って考えを持ち込むことに何の意義がある?

人間の赤ん坊を攻撃して、わざわざ、

『自分が他者を攻撃するのが当たり前』

って考えを植え付けて何の得がある? だから俺は、あかりを含む俺の子供達を怒鳴ったり叩いたりしないように心掛けてきた。たまに『つい』ということがあっても、それを正当化しないようにしてきた。野生で生きることになる子供達については母親達に任せたから<野生のルール>が適用されてしまったが、<人間>として生きる子供達には、<人間のルール>を適用した。

『<力>は、あくまで外敵に対してのみ向けるものだ。同じ人間を攻撃するためのものじゃない』

ってのを徹底してきた。そしてあかりは、そのことをちゃんと理解してくれてる。

『気に入らないことがあるだけで誰かを怒鳴っていい殴っていい攻撃していい』

という振る舞いを俺自身がしないようにしてきたからこそ、あかりも俺の真似をしてくれている。

ルコアや未来みらい黎明れいあに対しても、

『気に入らないことをしたからって怒鳴ったり殴ったり』

なんてしない。しないから、ルコアも未来みらいもそれを学んでくれて行ってる。

未来みらいも、家族や仲間は基本的に攻撃しない。機嫌を損ねて拗ねることはあるが、八つ当たりしてくることはあるが、それはあくまで、自分より強い相手。自分の八つ当たり程度では怯まない相手に限ってる。

黎明れいあを叩いたりはしないんだ。

そして今も、未来みらいが、ビアンカがケイン達を気にしてることが少し不満らしく拗ねた様子だったところに、あかりが、

「おし! こい! 未来みらい! 私が相手だ!」

と声を掛けて、両手をかざす。すると未来みらいは、あかりの掌目掛けてパンチを繰り出してきた。見た目は三~四歳くらいの幼児でも、クロコディアの血を引く未来みらいのそれは、地球人でも並の大人ならKOされかねない威力がある。

けれど、アクシーズの血を引くあかりにとっては、まだまだ幼児のそれでしかない。未来みらいの気が済むまで相手をしてくれたんだ。

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