未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第三世代

灯編 朝食

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そう言えば、ひそかは<認知症>まで患った果てに亡くなったんだよな。完全に俺が彼女の生涯を捻じ曲げてしまった。普通は認知症など患う前に生涯を終えるか、認知症を発症して野生で生きていく能力を失えばその時点で天敵などに狩られて命を落とすのが普通だ。なのに、ひそかは生きられてしまった。俺の下にいたがゆえに。

その事実とも向き合えたのも、やっぱり、ひかりあかりという<俺の子>がいて、シモーヌがエレクシアがセシリアが支えてくれたからだと思うんだ。

さらには、ようが亡くなる直前に、あかりが、

『パパは、本当にママのことを好きでいてくれたんだね……だからさ、私、パパとママの子供に生まれてこれて良かったと思ってるんだ。こんな場所でも、私はちゃんと幸せだよ。ママも幸せだったんだなって分かるよ』

なんてことを言ってくれたりもした。こんな世界に勝手に送り出した俺に、だ。それにどれだけ救われたか。

そしてようが亡くなった時には、

『私ね…不思議なんだ……ママのこと<お母さん>っていう実感ないのに、なんかすごく、こう、胸の辺りがキューッとするんだ……』

とも言っていた。ように育児放棄され、直接は乳をもらったことさえない相手なのに、<母親という実感>があるのはシモーヌに対してのはずなのに、あかりはそう言ってくれたんだ。そして、ようを想って泣いた。小さな子供みたいに大きな声を上げて泣いた彼女の姿を今でも覚えている。

これが、あかりという子を端的に表してる気がする。

その一方で、りんあらたの下を去ってレオンとして生きるようになったりということもあった。あかりは、そんなあらたりんのことも受け止めてくれてた。

加えて、じゅんひかりボクサー竜ボクサーの襲撃から守ろうとして大怪我をしたりということもあったな。そしてそれが、ひかりじゅんの関係を取り持つきっかけにもなった。じゅんのことを<一人前の男>と認識するきっかけになったとも言うべきか。

で、この時点では、じゅんひかりと共有することになるんだろうなと思ってた。なのに、結果としてじゅんあかりにとってはそういう相手にはなれなかったらしく、久利生くりうに一目惚れすることになったんだけどな。



そんなことを思い出している俺のことなんて関係なく、あかりは、ルコアと一緒に朝食の用意をしてた。と言っても、それぞれ自分の分を用意して、そのついでに未来みらいの分も用意してって感じだけどな。

で、用意ができると、家の窓から、

未来みらい~! 朝ごはんだよ~!」

あかりが声を掛ける。すると、魚を咥えた未来みらいが池から飛び出してきて口にした魚をバリバリと食らいつつ家に戻ってきた。もう自分で軽く朝食を済ましてたんだが、その上で三人で朝食にするってことだな。

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